ベネッセ教育総合研究所
立山小学校
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児童を把握する力を養うことが「学級内習熟」のポイント
 生徒指導の3機能は、習熟度別授業のなかでも生かされている。「普段おとなしい子どもが発言しやすくなる」「みんなが発言者になれるので、話し合いが活発になる」「自分の考えを自分でまとめることができる」など、習熟度別授業のなかで、児童の「自己存在感」「自己決定」「共感的な人間関係」が高められる場面は多い。この習熟度別授業の機能を他の授業でも活用したいと、04年度1学期から始められているのが、担任一人で行う「学級内習熟」の試みだ(写真3)。
写真
▲写真3 「学級内習熟」の1コマ。一斉授業だが、
理解度に応じて、教師の周辺に集まっている児童と、
自分の机で学習している児童とに分かれている
「習熟度別にコースを分けても、同じコースに理解の速い子と遅い子がいますから、それぞれに合わせた指導を考えてきました。そのよさを一斉授業にも生かせないかと考えたのです」(村上先生)
 例えば、算数の文章題の解き方について、すぐに思いついた子は自分で問題を解いたりほかの解き方がないか考えたりさせ、思いつかなかった子は教師の周辺に集めて理解を得るための援助をする。それが終わったら、二つのグループが一緒になり、授業を進めるといった具合だ。
「児童の状況把握を速く正確にしなければならず、うまくいかないこともあります。これまでも個に応じた指導は実践してきましたが、『学級内習熟』に取り組んでみて、まだまだ指導力が足りなかったと反省しています。また、理解の遅い子に目がいきがちなので、理解の速い子が何をすべきか、ルールを決めて徹底させるなどの対応も必要です」(村上先生)


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