ベネッセ教育総合研究所
Case Study 学力調査を生かした実践事例
田原和博校長
田原和博校長

広島県府中市立
北小学校
〒729-3211
広島県府中市木野山48-1
TEL/0847-68-2504 FAX/0847-68-2796
http://www.edu.city.fuchu.hiroshima.jp/~kita-shou/
校長/田原和博先生 児童数/68人 学級数/8学級
今泉 博
岡川孝文校長

広島県府中市立
第四中学校
〒729-3211
広島県府中市木野山79
TEL/0847-68-2516 FAX/0847-68-2798
http://www.edu.city.fuchu.hiroshima.jp/~yon-chu/
校長/岡川孝文先生 生徒数/48人 学級数/3学級

両校は広島県の東部、府中市の北部に位置し、周囲を山で囲まれた緑豊かな学び環境にある。両校の距離は約100メートル、お互いの学校が見える環境にある。「府中市特色ある学校づくり推進事業」指定校。2004年度より、国立教育政策研究所 小中連携教育実践研究協力校として、研究を推進している。
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テーマ3 小・中連携による学力向上の取り組み(2)
「授業のつながり」を意識した小中連携
 広島県府中市は、学校・家庭・地域が一体となっての「元気いっぱいの府中っ子」づくりを支援している。その中で北小学校と第四中学校は、9ヵ年の小中一貫カリキュラムの検討をはじめとして、相互の授業研究を協同して行ったり、異年齢交流を行ったりするなど小中連携の取り組みを教師間・児童生徒間で行っている。小中連携を通して、見えてきた効果や課題について、紹介しよう。


地域全体が学校を支持する風土
 取材にお伺いしたときに府中市立北小学校・府中市立第四中学校の先生がそろって出迎えてくださり、あたかも1つの学校のような印象を受けた。
 北小学校と第四中学校は2004年度4月より2ヵ年の計画で、国立教育政策研究所の小中連携教育実践研究協力校の指定を受け、9年間を見通した一貫性のある指導の研究をスタートさせた。
 「運動会などの行事では、以前から学校同士の交流が行われていましたが、学習・生活指導の面で本格的に連携するのは初めてでした」(北小学校・田原和博校長)
「第四中学校区には保育園一園・北小学校一校しかなく、地域全体が知り合い同士で、地域連携や小中連携をする下地はあったと思います」(第四中学校・岡川孝文校長)
 小中連携を進める契機となったのは03年度に実施した「学力調査」(注1)の結果から小中で共通の課題が確認できたことによる。

(注1)府中市学力向上のための調査。府中市の全ての小・中学校で実施

「学びを進める基本的学力の不足」と「学ぶ意欲」「自己効力感」に課題があることが確認でき、その解決には一貫性のある指導を工夫することが大切だと考えた。
 加えて、中学校では、小学校の内容を意識した授業があまりできていないので、生徒によっては、小学校での既習内容が出てきても学習の流れをつかむことが困難になっているという声や、小学校での習熟の未徹底さなどもあがっていた。
 そこで、カリキュラムの連続性や授業のつながりを意識し、共通の課題である「基本的学力をつける」「学習意欲の向上」「自己効力感の向上」を小中連携を通して目指すことにした。


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