ベネッセ教育総合研究所
Case Study 学力調査を生かした実践事例
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異年齢交流を通して学び合いの大切さを知る
 接続授業の他にもさまざまな小中交流を行っている。
 「準備期間として03年度から、さまざまな指導プランを作成し、取り組みを始めていました」(北小学校・田原校長)
 まず、9年間の教育を通し、連続性、専門性のある学びの連携を作るための学習計画作りを行い、その基盤になる指導観・カリキュラム観を小中で共有化することに力を入れた。
 その実践の一つに、「異年齢交流」による英語の授業が挙げられる。
 「中学3年生が小学6年生に英会話を教えるというスタイルで、交流授業を目指しました」(北小学校・藤井先生)
 本番では、授業というよりフリースタイルでのサークル活動のような雰囲気で、床に座って本を開く子どもたちの姿も見受けられた。進行すべてを任された中学生が「教える立場に立つことで、基礎力の大切さがわかった」と言う一方、授業を受けた小学生は「中学生が偉く見えた」との感想を述べ、相互に刺激のある授業となった。
 また、年齢の近い先輩から教わることで、教科への親しみ、継続して学習することの意義も学びとることができたという。
 さらに、教科専門性を活かした指導の取り組みとして、中学校の体育教諭が小学校に出向き、水泳、陸上の指導を行った。各種目のコツや練習法を会得したことで、児童たちの多くが記録を伸ばすことができ、「学びの意欲」を向上させることができた。小中の枠を越えた指導により、効果をあげることが可能になったという。


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