ベネッセ教育総合研究所
地方自治体がひらく新しい教育
CITY DATA
墨田区
  江戸時代以来、隅田川に沿って発展し、商工業の町として繁栄。いまも下町風情を色濃く残し、伝統に培われた技芸や史跡、老舗などが数多く見られる。義務教育では、04年度から、“確かな学力”の育成を目指し、「開発的学力向上プロジェクト」をスタート。学習到達度調査や学習意識調査などを通じ、区をあげての学力向上に取り組んでいる。さらに、二学期制や学校選択制度といった先進的な取り組みも積極的に導入し、教育に厚みを加えている。
◎墨田区データ
(05年6月現在)
面積/13.75km2
人口/233,781人
人口密度/17,002人/km2

小学校(区立)/27校
中学校(区立)/12校
幼稚園(区立)/7園

墨田区教育委員会
所在地 〒130-8640 
東京都墨田区吾妻橋1丁目23番20号
電話 03-5608-6621
FAX 03-5608-6596
URL http://www.city.sumida.lg.jp
/kyouiku/index.html

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事例紹介 2
東京都墨田区
自ら学ぶ力を子どもから引き出す仕掛けづくり
子どもたちの学力、そして学習意欲の低下が危惧されるなかで、子ども自身が主体的に
学びに向かう仕掛けづくりが求められている。主体的な学習の支援、そしてその礎ともなる教師の指導力向上を図る東京都墨田区の取り組みを紹介する。


04年度に学力向上のプロジェクトが開始
 東京下町の情緒を今なお豊かに残す墨田区は、伝統的な産業が数多く伝わる歴史と文化の町である。
  墨田区では、「確かな学力」の育成を目指して「開発的学力向上プロジェクト」を2004年度から実施している。このプロジェクトでは、まず04年9月から10月にかけて、区内の区立小・中学校全学年の児童生徒を対象とした「学習状況調査」を実施。調査では、児童生徒の総合的な学力の全体像を把握するため、「学習到達度調査」と、学習意欲や態度の実態を調査する「学習意識調査」を行った。その結果に基づき、各学校で「授業改善プラン」を作成し、指導方法の見直しなどの授業改善に取り組んだのだ。そして、05年度からは「学力向上 新すみだプラン」(図2)として04年度の取り組みを拡充した。
▼図2
図2
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  「学力向上 新すみだプラン」の一環として区教育委員会事務局を改編し、新設された「すみだ教育研究所」所長の鹿島田和宏氏は、取り組みのねらいを「狭義の学力を超えた、確かな学力と豊かな心の育成」と説明する。
  「04年度に行われた東京都の学力向上を図るための調査などからも、子どもたちの基礎学力育成のために何らかの手だてが必要なことが読みとれました。ですから、『学力向上 新すみだプラン』のねらいは、文字通り“学力”の向上です。先生の多くは『真の学力とは、テストだけで測れるものではない』と考えていますが、それは行政も同じです。テストだけでは測れない、広義の学力向上に長期的に取り組んでいくこと、そして墨田区ならではの教育資産を活用して地域全体で子どもを支える教育を実現することが『学力向上 新すみだプラン』の真の目標です」(鹿島田氏)
▼図1
図1


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