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生活時間 〜第3回〜
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青少年のメディアの利用状況をまとめた調査結果から、小・中・高生の活字メディアの利用状況を取り上げてみた。
「新聞を読む時間」をみてみると、「0分」と答えた割合は小学校では男子51.0%/女子54.0%、中学校では同52.8%/46.3%、高校では同47.7%/53.3%となっており、どの学校段階においても約半数の児童・生徒が平日に新聞をまったく読んでいないことがわかる。1日平均15分以上読む児童・生徒は、小学生で約10%、中学生で約15%、高校生で約20%と、学校段階が上がるにつれ増えている。
次に「本を読む時間」をみると、「0分」と答えた割合がもっとも高いのは高校生で、男子48.7%、女子44.7%となっている。1日平均30分以上読むのは小学校女子と中学校女子が多く、約半数を占めている。逆に1日平均30分以上読む割合が低いのは小学校男子(33.2%)、高等学校男子(38.6%)、高等学校女子(41.7%)と続いている。
「雑誌を読む時間」については、学校段階が上がるにつれて読む時間が増える傾向にある。一方、「マンガを読む時間」については、男子と女子で異なる傾向がみられた。女子では、学校段階が上がるにつれて「0分」の割合が増加(小学校26.4%、中学校34.4%、高校47.2%)しているのに対し、男子では学校段階による違いがあまり見られないのが特徴的だ。
国際6都市における小学生の学習状況を調べた調査結果をみると、学習時間は東アジア3都市で長く、欧米3都市は短い傾向があることがわかった。平均の学習時間は、長い順に、ソウル145.8分、北京131.6分、東京101.1分、ロンドン74.1分、ヘルシンキ68.2分、ワシントンDC62.6分であった。
東アジア3都市およびヘルシンキの学習時間の分布を比較してみると、東京は「およそ30分」(21.2%)、「1時間」(19.6%)という回答が多い反面、「それ以上」(3時間30分超)の割合も13.6%と1割を超えている。学習時間が短い子どもと長い子どもがおり、中間に位置する子どもが少なく、二極に分化している様子がうかがえる。
参考までに同年に行われた国内調査の結果をみると、学習時間の平均は地方都市が73.1分、郡部が64.5分となっており、東京の101.1分よりかなり短いことがわかる。東京は中学受験をする小学生が長時間の学習をしており、このことが二極化の主因になっていると思われる。
夜10時以降に寝る幼児の割合を調べた調査結果をみると、1980年(昭和55年)から2000年(平成12年)までの20年間で、就寝時刻10時以降の幼児の割合が2〜4倍に増加していることがわかる。大人の生活時間が夜型化していることに伴い、子どもの生活のリズムも夜型になっている様子がうかがえる。
また、幼児(0歳〜4歳)の就寝時刻を諸外国と比較したデータをみると、日本は「22時以降」と答えた割合が46.8%と、諸外国に比べて極めて高くなっている(フランス16%、ドイツ16%、イギリス25%、スウェーデン27%)。
しかし、第1回でもふれたように、平成18年に「早寝早起き朝ごはん」全国協議会が設立され、現在子どもの基本的生活習慣の確立や生活リズムの向上につながる運動が積極的に展開されており、最近の調査からは、基本的生活習慣の重要性が幼児をもつ保護者に浸透しつつある様子もうかがえる(『生活時間』第1回【1-2】参照)。