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「例えばテーブルの上にお菓子を置いておくだけでも、それによって場ができあがります。それを『ラボ・カフェ』と名付ければ、そこに人が集まり、会話する場所になり、たまり場になる」と於保氏。ちなみに「ラボ・カフェ」の「ラボ」は、もちろん「メディカル・デザイン・ラボ」にちなんだものだ。
また、彼女は施設内のイベントで、子どもたちが何かいいことをするともらえる「アハ」という施設内通貨を考案、ラボ・カフェで使えるようにデザインした。これが子どもたちの間でも人気となり、イベントでは「アハ」が足りなくなってくると、アルバイトとしてカフェのお手伝いをして「アハ」をもらう子どもたちも出てきたという。
最近、このラボ・カフェを入居している保護者たちのために、夜間に「大人のラボ・カフェ」として開放することも考えている。
「飲酒はできないですが、夜の間、同じテーブルを大人のラボ・カフェとして開放すれば保護者同士での交流が始まります。同じような体験をしている保護者同士の交流の場ができれば、心身ともにリラックスできたり、励まし合ったりということが自然と生まれます。」
この施設では、「ああしたい、こうしたい」といった課題が次々とあがってくる。その解決策を見つけてカタチにするのも「メディカル・デザイン・ラボ」なら、施設内を見渡して、「実はもっとよくできる」という課題そのものを見つけて工夫を凝らすのも、ラボの役目だ。
右の写真を見てもらいたい。彼女がこの施設で最初にした大きなデザインだ。設立には多くの企業スポンサーによる寄付などの協力があったが、そうした企業への謝辞やクレジットを、壁に手描きされたすごろくの一部として自然な形で掲載している。まさにデザインの力だ。この施設には、あらゆるところにデザインの工夫が見てとれる。
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