VIEW21 2001.06  指導変革の軌跡 三重県立川越高校

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'86年の学校設立
当初からこれらの取り組みを展開し、校内に学びの雰囲気をつくり上げてきた川越高校。熱意ある教師たちが早朝から深夜まで生徒を指導し、進学実績も順調に伸びていた。しかし、その指導方法はあくまで教師個人の熱意、経験に頼る部分が大きかった。開校当初からいた教師が一人、また一人と異動していくと、指導体制が次第に不安定になることは否めなかった。
 そんな中、掲げられたのは「受験は団体戦」というスローガンだ。それは、教師個々の指導ノウハウを全員で共有し、推薦入試希望の生徒も含めて生徒全員を最後まで指導していこうという意志の現れだった。
 「4年ほど前から、学年団だけ、進路指導部だけというくくりではなく、教師全員で協力して指導していくための体制を整え始めたんです」(鈴木先生)
 進路指導部が主体となり、教師が個々にしていた取り組みを、学校全体のものへとまとめ上げていった。進路だよりを学年ごとに一本化し、川越高校の特色である面談はこのとき初めて年間計画を立て、基本方針を徹底させたという。また、国公立大の個別試験対策は、後期日程直前まで指導する体制をとった。すべての生徒の個別試験の入試科目を調査し、生徒一人ひとりを学年を越えて教師全員で担当し、丁寧な個別指導を行うのである。
 「志望校合格を勝ち取るためのあと一歩を指導するには、センター試験から個別試験までの期間が一番重要です。短期間でどこまで生徒の能力を最大限に引き出せるきめ細かい指導ができるかが勝負と考えています」と、生徒の希望に合わせて個別試験対策指導を担当教師に割り振った中村法光先生は言う。
 「受験は団体戦」――。ほとんどの生徒は2月の国公立大学入試直前まで学校に来て勉強している。みんなで頑張っているんだと感じ取れる雰囲気が、生徒の最後の踏ん張りを生み出していると鈴木先生は感じている。

図1 '01年度2学年進路指導予定

まだある参考にしたい取り組み


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