ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT 未来を模索する単位制高校
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1 幅広い科目履修を促す類型方式
 履修科目を柔軟に選択することができる単位制高校。原理的に考えれば、履修科目の多くは生徒の自由選択ということになる。だが、全人教育の理念を掲げる浦和高校にとって、それが「安易な科目履修」につながるとすれば、必ずしも望ましいことではない。そこで浦和高校では、あえて1年次には全員が同一科目を履修するカリキュラムとし、幅広い教科適性を見極められるようにした。また、2、3年次についても、「類型」と呼ばれる履修モデルをあらかじめ用意しておき、希望する類型を選択させた上で、他の選択科目を付け加える方式としている。
 「単位制と言うと、生徒が自由意志で履修科目を選択するものだと考えられがちですが、全人教育の理念に照らした場合、極力多くの教科を学習する方が望ましいのは明らかです。そこで、学校側である程度の履修パターンを提示しています。特に1年次については、国・数・英の3教科を重点的に学ぶようになっています」(長谷川先生)
 また、「類型」分けの時期を2年次頭にしたのにも意味があるという。
 「受験対策の面から考えると、1年次の初めから進路志望に応じた類型に分けて指導する手法も考えられますが、入学したての1年次生が将来のことまで見越して履修科目を組み立てるのは困難です。そこで、1年次は『総合的な学習の時間』等を使った進路学習を重点的に実施し、類型選択はその後に持ってきています」(中村武彦先生)


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