| 京都精華大学 |
| Betweenは（株）進研アドが発刊する情報誌です。 |
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| 丁寧な添削とコメントが高校生の能力を引き出す |
本格的な入学前サポートを実施した結果、どのような変化があったのだろうか。
実は、読む力・書く力の育成には大きな期待はしていなかった。「ところが、自分が書いたものを読んで真剣に反応してくれることがわかると、必死になって書いてくるのです」（中尾学長）。その結果、ニュース・レポートや課題図書レポートは、回を重ねるごとに内容が高度になるという。「最初は感想文レベルだったものが、次第に抽象的な概念をつかめるようになってくる。能力が飛躍的に高まるのが目にみえるのです」と、中尾学長も驚く。
丁寧なコメントや添削を行うには、相当なマンパワーが必要だ。AO担当の教員はもちろん、多くの教員が協力しているが、学生スタッフの存在も大きい。彼らは人文学セミナーでグループディスカッションをリードしたり、ニュース・レポートをはじめとする各種課題レポートにコメントをつけたりと、重要な役割を果たしている。
中心的なメンバーは2～4年生の約30人で、03年度は卒業生も加わった。彼らの周囲にさらに多くの協力学生がいる。中尾学長も、「チャレンジ講座への出願認定は、レポート以外にセミナーでのディスカッションの様子も参考にしていますが、学生スタッフの目も参考になります」と、活躍を評価する。
入学前サポートを通して、高校生同士、高校生と在学生・教職員の距離がぐっと近づいたことも大きな効果だ。入学前に平均7人の友人ができたり、大学関係者数人に名前を覚えてもらったりと、入学生の満足度はかなり高い（図表）。 |
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入学前サポートに対する好意的な感想は7割近くにのぼり、AO制度で入学が決まったことに、97.6％が「たいへん満足」か「どちらかといえば満足」としている。
近況報告レポートなどから、本を読むことが増え、勉強や考えることの意義を理解していると感じられる学生が、数多く入学するようになった。「AO入学の学生が人文学部の1年生の4割を占めたことで、学内の雰囲気に変化の兆しを感じます。授業に対する意見もこれまで以上に積極的に表明するようになりました」（中尾学長）。
同大学の04年度AO制度はすでに始まっている。今回は約6割をAO制度で募集する予定だ。「この入学前サポートには膨大な手間がかかりますから、そう簡単には真似できないと思います」（武田惠司入試課長）との言葉に、学生と教職員が一体になって満足度の高い大学をつくっていこうとする決意があらわれている。 |
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