| Report-2 |
300人の顔写真入りのパンフレットで
企業に人材をアピール |
| 「一人ひとりの学生を大切にする」という基本方針の北陸大学は、就職指導室が企業の採用担当者向けに製作しているユニークなパンフレットでも、一人ひとりの学生にスポットが当てられている。 |
| プロフィールの作成は就職活動の第一歩 |
| 北陸大学就職指導室では、外国語学部と法学部の就職希望の学生全員を掲載したパンフレット「HUMAN NETWORK」を刊行している。企業に対する学生の自己アピールの機会を増やせないだろうかと考えて1995年度から製作を始め、今年度で9冊目となる。 |
HUMAN NETWORK 2003
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03年度版は、最初に学長挨拶、社会で活躍しているOB・OGのコメント、キャリア支援プログラムの紹介、外国語学部と法学部それぞれの特徴と続く。ここまでは、一般的な大学案内の掲載項目とあまり変わらない。しかし、その先は学生一人ひとりの顔写真と全身写真、プロフィールなどを掲載した学生紹介ツールとなっている。
当初、学生紹介のコーナーは顔写真1点と学生のコメントだけだったが、掲載項目を年度ごとに見直し、99年度版から履歴書に貼付するような顔写真と、カジュアルなスタイルで自分の魅力をアピールする全身写真の2点を掲載するという現在の構成にした。
就職指導室の渡辺久恭主任は、「まじめな表情とリラックスした表情の両方を掲載するのは、学生の人柄をより立体的に知ってもらうための工夫」だと説明する。
確かにリクルートスーツを着た顔写真よりも、全身写真はファッションやポーズが個性豊かで、人間性もにじみ出ている。楽器やラケットなどを持って特技をアピールしている学生もいる。写真のほかには、名前、出身地、大学時代の一番の思い出、100字程度の自己PR文、希望業界、資格・特技、就職に向けて企業の採用担当者へのメッセージが掲載されている。
「限られた文字数の中で自分を表現するために、学生は非常に苦心します。就職指導室のスタッフからアドバイスを受けながら添削を重ね、何度も書き直した上で、最終的な掲載の形になります」（渡辺主任）
3年生の11月から写真撮影や自己PR文の作成が始まるが、学生はその直前の10月に就職指導室による個人面談を受ける。これは、自己を見つめ将来について考えることを目的としており、4年生の4月までに3回行う個人面談の初回となる。面談、パンフレット製作の一連の流れは、就職活動の第一歩といえるだろう。
中には面談や写真撮影に来ない学生や、自己PR文を提出しない学生もいるが、その場合には就職指導室のスタッフが携帯電話やメールで連絡し、参加や提出を促して全員の掲載を目指す。
自己PR文やメッセージがしっかりしている学生は、内定が早く決まる傾向があるという。 |
| 将来的には留学生も含めた「人材バンク」に |
「HUMAN NETWORK」は、地元の企業を中心に、約2500社に配布されている。このパンフレットを持参して企業の面接に臨む学生もいる。また、企業から、「この学生にアプローチしたい」という問い合わせもあるという。
来年度には外国語学部と法学部が未来創造学部に統合される。その中でパンフレットも見直しを図っていく。
「企業の採用担当者にページを開いてもらえる工夫がもっと必要」と、就職指導室の吉田和弘室長は感じている。
「今後は、パンフレットを北陸大学の人材バンクという位置づけで、企業に認知してもらえる内容をと考えています」（渡辺主任）。日本での就職を希望する留学生の掲載も視野に入れ、今後の内容を検討していくという。 |
