ベネッセ教育総合研究所
教育力の時代
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電子媒体の強みが生きた、学科横断科目群の導入

 K・SMAPYは、同大学が独自に開発したシステムだ。職員が設計し、教員がチェックする工程を繰り返すことで、学生や大学にフィットした機能を追求。1回IDを入力するだけですべてのページにアクセスできたり、時間割画面からシラバスや図書館などのデータベースを直接のぞけるなど、使いやすさを実現した。
 また、現場の視点で必要な機能を取り込んでいくことができるのも、手作りならではの良さだ。たとえば出席登録機能。教室に設置したカードリーダーに学生証をかざすと、自動的に出席がK・SMAPYに記録される。これによって教員が出席カードを配ったり、職員が各教員から集めたデータを突き合わせて出席状況を確認する作業は不要になった。また、それらのデータを様々な角度から集計し、分析することもたやすい。
 同大学では、4年前から教員相互の授業公開や学生による授業評価などFD事業を推進し、カリキュラムの見直しにも取り組んできた。Webシラバスに授業評価の方法を原則記載するなど、K・SMAPYはこれらの動きとも連動している。
 特に、「共通領域」という学科横断的に履修できる科目群を設定した02年度のカリキュラム再編には、欠かせない機能だった。共通領域には教養科目に加え「日本文学史」「企業論」「地誌学」など、各学科の専門科目の一部も組み込まれ、科目数は約1200に上る。紙のシラバスでは量的にとても対応できないが、Webシラバスに展開することで乗り切った。学生にとっても時間割機能を利用して、空いているコマからリンクしている科目のシラバスだけを見ることができるので、効率的に情報を探せる。そのため、この共通領域の導入がK・SMAPYの利用を後押しする結果となった。


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