ベネッセ教育総合研究所
特集 高等教育分野への新規参入者たち
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英語教育の必要性を感じ、4年制大学設置へ

――2005年度、新たに4年制大学としてデジタルハリウッド大学の設置を計画されています。
藤本 大学院教育を始めて、学部教育の必要性を感じたからです。大学院の入学者の平均年齢は約30歳で、男性が8割、3人に1人が起業を志しています。しかし、ビジネスベースで英語を話せる人は約2割で、海外で活躍できるITコンテンツの専門家を育成しようとしたら、英語教育を行わざるを得ません。大学院で英語をやる余裕はないので、学部の設置を考えたのです。

――英語力の高い人を選抜するという方法もありますが、それは考えなかったのですか。
藤本 語学の得意な人を集めてITコンテンツの教育を行うよりも、ITコンテンツに興味がある人に英語教育を行う方が、最終的には質の高い人材を育成できると思ったのです。われわれとしては、英語はツールであり、あくまでもコンテンツ分野で力を発揮してもらいたいのです。4年間あれば十分な英語教育ができます。そこで、モチベーションを高めるためにも、入学式はアメリカで行う予定で、映画会社のスタジオ見学も計画しています。

大学設置審査を有料化し、教育の実質を見る仕組みを

――株式会社立の大学が高等教育に与える影響を、どのように考えていますか。
藤本 株式会社立といっても、教育や施設設備面などの設置基準は通常の大学と同じで、現状では、特区では株式会社が大学をつくってもいいというだけにすぎません。
 高等教育全体の活性化を考えるのであれば、個人的には、むしろ設置基準を見直した方がいいと考えています。設置審では、教員の評価制度や教育内容の評価制度など、教育の根幹に関わる部分ではもっと厳しい意見が出てもいいと思っています。参考人制度をさらに進めて審議会のメンバーに産業界の人材を参加させることに加え、審査自体も有料にすればいいと思います。申請する方も慎重になるし、そのお金で教育の本質的な内容を精査するような審査を行ってもらえば、大学全体に活気が出るのではないかと思います。



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