ベネッセ教育総合研究所
特集 高等教育分野への新規参入者たち
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10年間で30の新設校

 図表4では、公立大学の設置数を経年で示した。
図表4 公立大学設置数の推移

図表

 70年代から90年代はじめにかけては1、2校の増減で推移しているが、95年度以降00年度までは4〜6校新設される年もあり、この十数年間で一気に約30校増えた。ただし、再編統合の動きが活発化し、05年度は73校に減る予定だ。
 近年の自治体の公立大学設置は、教育機会の均等化という従来の目的以上に、高等教育という新事業による地域の活性化に重点が置かれるようだ。自治体が土地などを提供し、学校法人に運営を任せる公設民営方式の大学も、同じ時期に数多くできている。地域に必要な人材を積極的に育成しようという動きが、看護を中心とする保健・福祉関係の学部の増加につながり、ここ10年で一気に拡大した。例えば、99年度は新設5校中4校(青森県立保健大学、埼玉県立大学保健医療福祉学部、県立長崎シーボルト大学看護栄養学部、沖縄県立看護大学)が該当する。
 図表5図表6で、公立大学と国立・私立の教育環境を比較してみた。
図表5 設置形態別の学費(03年度)

図表

図表6 設置形態別の教員1人あたり学生数(04年度)

図表

 多くの公立大学では、地域内の入学者の入学金を国立と同額か安く設定し、地域外からの入学者はその1.5〜2倍程度にしている。そのため、ここで示した地域外の入学金は私立より高くなっている。なお04年度の公立大学の入学金は、地域外39万7271円、地域内23万6742円。近年は、多くの公立大学が授業料も国立に準じる形で改定している。公立大学によっては、地元の学生であれば、4年間の学費を国立並みかそれより安く抑えることができるわけだ。
 教員総数は100人以下の公立大学が7割近くを占めるが、教員一人あたりの学生数は11.0人で、私立の半分以下となっている。


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