ベネッセ教育総合研究所
教育力の時代
PAGE 2/3 前ページ次ページ


短・長期のプログラム群で導入教育や資格取得支援を実施

 支援センターが課外の学習プログラムの提供を始めたのは99年度のことだ。「当初、学習相談だけを行っていましたが、利用者があまり多くない上、学力に問題がある学生ほど訪れない。そこで、センターでただ待っているだけではなく、様々なニーズに合わせスキルアップのための学習プログラムを設け、積極的に学生を呼び込もうと考えたわけです」と、濱名副学長は言う。
 学習プログラムには、1回から数回までの短期間で行う「ショートプログラム」と、一定期間継続して実施する「特別研究」がある。学生は興味のあるプログラムを自由に受講できる。04年度秋学期のショートプログラムは「中国語入門」「ゲームで磨くファイナンシャルインテリジェンス」「卒論の書き方」など15のテーマで設定。中には、時間の使い方を客観的に判断して、自分の行動パターンを点検・改善する「タイムマネジメント」など、導入教育の一環として必ず学期の初めに設定されるものもあれば、教員が自分のオフィスアワーを利用して開講するものもある。
 プログラムは、学生へのアンケート結果、支援センターや教員の提案を基に設定される。学生の多様なニーズに対応することが狙いなので、分野や総プログラム数の枠はない。ただし、毎年見直しを図り、関心の低いプログラムは中止する。その一方で、受講者数は少なくても確実にニーズがあると思われるものについては継続しているという。
 「幅広いニーズにフレキシブルに対応し、学習意欲の向上など何らかの学習支援につなげることが目的ですから、受講生が少なくてもいいのです。教員にも、オフィスアワーで待機している時間を有効活用してプログラムをやってみてはと、積極的に勧めています」と、濱名副学長。
 特別研究は、ショートプログラムを開始して間もなく、学生から「履修科目にないものを学びたい」「資格を取得したい」といった要望が上がったことを受けて設置された。通常の授業と同様、学期または年間を通して開講するため、履修は義務付けていないが、単位が与えられ卒業要件として認められる。
 プログラムには「公務員講座」「キャリアディベロップメント講座」「大学院受験準備講座」などが並び、資格対策講座の講師は外部から招いている。また最近では、オーダーメード型の海外研修、テーマに沿って神戸の街中を調査するフィールド調査といった体験型のプログラムも増えている。
 「もともとは、学習意欲の乏しい学生を対象に始めたのですが、プログラムの増加などによって、意欲の高い学生も集まるようになっています。そうした学生のニーズに応えるために、学科の科目としては組み込みにくい体験型のプログラムを取り入れています」。カウンセリングなども含めた、03年度の支援センターへの相談件数は約1600件。学習プログラムの充実が、様々な学生層を取り込む大きな要因となっている。
図表 学習支援センターの活動の全体像

図表



PAGE 2/3 前ページ次ページ
トップへもどる
目次へもどる
 このウェブページに掲載のイラスト・写真・音声・その他のコンテンツは無断転載を禁じます。
 
© Benesse Holdings, Inc. 2014 All rights reserved.

Benesse