ベネッセ教育総合研究所
学生像を知り尽くした手配りで学習支援を強化
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専任教員も入学時から学生と接し意識が変わる

 関西国際大学学習支援センターが提供する学習プログラムに「タイムマネジメント」がある。聞き慣れない名前かもしれないが、アメリカの大学では初年次教育として導入されており、大学教育を受けるためには大変重要なプログラムと考えられている。自分の時間の使い方を客観的に評価して、行動パターンを点検・改善する方法を身につけることを目的にする。
 昨今の学生は、スケジュール管理の能力不足のため、学業とアルバイトの狭間で「優先順位が判断できない」状況になることが多い。例えば、試験日にアルバイトで欠席し、単位をフイにしてしまうなどである。
 学習支援センターでは、このように自立的な学習が十分でない学生に対する学習プログラムを設ける一方で、意欲の高い学生を後押しするために各種の資格対策講座、大学院入学のための対策講座なども設定している。
 通常の授業では内容を中レベルの学生に合わせざるを得ないために、すべての学生には満足感が行き届かない。その改善策として、上位あるいは下位の学生にも満足感を与える役割を学習支援センターは果たしている。
 さらに大学に馴染めない学生の様々な相談を受けられるように、カウンセリングや健康相談の機能も一体になっている。現在の学生像を知り尽くした手配りである。
 もう一つ、学習支援センターの取り組みの効用を挙げるなら、日頃、ゼミの学生ばかりを相手にしている専任教員に、入学時から学生に接してもらうことで、学習スタイルを定着させる必要性に気付かせたことだ。そのしくみが1週間に最低1コマはセンターに詰めてもらう「センターオフィスアワー」である。学生の抱えている悩みや不満を直接聞くことの効果は大きい。
 また、学生の来訪をただ待つだけという無為の時間にたまりかねた教員が、学生を集める方策の一つとして自主的にショートプログラムを立ち上げるようになったというのも、意識改革の結果と言えるだろう。


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