ベネッセ教育総合研究所
教育力の時代
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ネイティブの英語教員が専門科目の予習的授業

 2年次後期からスタートする英語による専門科目の授業「ESP=English for Specific Purposes(目的別英語)」でも、三つのステップが設けられている。ESP1(A−djunct Course=専門・英語ペアクラス)では、35人ほどのクラス単位でファイナンス、会計、人的資源管理論、マーケティングの4科目の授業を展開するが、その予習のための授業もペアで設置する。これは専門科目の教員による授業の3〜4日前に、ネイティブの英語教員が内容や専門用語について解説しておく仕組みだ。そのため教材は、英語教員と専門科目の教員が共同で作成するという。
 3年次以降は60人以下の中規模クラスで、国際経営学系、国際ファイナンス系、異文化理解系の3領域の専門科目を学ぶ。3年次には容易な英語を使い、学生の理解度に合わせて授業を進行させるESP2(Sheltered Course=特別英語専門クラス)で8科目を履修。後期から4年次にかけては、最終ステップとして欧米の大学と同様のスピードや語いによる英語で専門科目の授業をするESP3(Mainstream Course=英語メイン専門クラス)となる。ESP3では8科目が設定されている。
 現代GPの審査で評価されたのは、こうした階層的な学習体系だという。「ESP1、ESP2に取り入れた授業形態は、アメリカの大学で非英語圏の学生向けに手がけられているものですが、これらを組み合わせて階層化したプログラムはほとんどありません。『コロンブスの卵』的な発想ですね」(白石学部長)。
 これらの授業のほかに、アメリカなどの海外大学への1カ月の短期留学(海外EAP)や、中・長期海外スタディも盛り込む考えだ。さらに、キャリア支援として、2年次には英語も使いながら、ビジネスプロジェクトの提案やマーケット調査などのアクションプログラムを中心とするBBP(Bilingual Business Project)や企業人などを招いてのセミナー、国内外の企業でのインターンシップも組み合わせていく。
 かなり密度の濃いカリキュラムだが、授業についていけない学生のドロップアウトを防ぐため、1年次前期に経営学とはどのような学問なのかをビジネスゲームで学ぶ動機付けの科目も設定する方針だ。また、教員によるアドバイザー制度も取り入れ、一人ひとりの学習進度、ニーズの把握にも努める予定。
 課題は、海外留学やインターンシップの提携先確保と教材作成だ。この取り組みによって全カリを専門教育と効果的にリンクさせることで、「『英語の立教』をさらにアピールしていきたい」と白石学部長は語る。

図表



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