ベネッセ教育総合研究所
特集 教育の質をどう保証するか
 
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将来ビジョンの明示が課題

―今回の答申をどのように評価されますか。

木村
 質の保証に関する部分はおおむね評価できると思います。現在、OECD(経済協力開発機構)とユネスコが協力して、世界的な規模で大学のデータベースを構築しようとしています。これは、きちんとした質の保証を受けた大学を登録するものです。日本では今後、国の認証を受けた評価機関が評価する方式になるわけですから、国際的な大学の質保証という面でも足並みが揃うことになります。
 答申全体に関しては、個人的にはグローバルな視野に立ったもう少し踏み込んだ高等教育のビジョンが示されてもよかったのではないかと感じています。「我が国の高等教育の将来像」というタイトルから考えれば、例えばイギリスのデアリングレポート(英国高等教育制度検討委員会報告)などのように、国家としての方向性と、それに基づく高等教育の概念をきちんと規定した上で、各大学の役割分担などを、より具体的な形で示すことができればよかったのではないかと思っています。



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