ベネッセ教育総合研究所
社会人大学院の最前線 第1回分野の融合
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投資価値が高いプランには、大学が起業支援も

 バイオ・情報メディア研究科のうち、バイオニクス、コンピュータサイエンス、メディアサイエンスの3専攻は、東京工科大学と同じ八王子キャンパスに置かれるが、アントレプレナー専攻は、系列の日本工学院専門学校がある蒲田キャンパスに開設された。そのため、授業は、八王子キャンパスとを高速ネットワークで結び、e-ラーニングによる遠隔授業も行われる。
 アントレプレナー専攻のカリキュラムは、共通科目、基礎科目、専門科目、研究・プロジェクト科目の4分野で構成。それぞれ、ベンチャー起業家はもちろん、ベンチャー支援実務家、ダブルメジャー獲得などの目的に応える科目が設定されている(図表2)。
図表
 このうち、研究・プロジェクト科目は、アントレプレナー専攻の教育・研究の核となるもので、教員の指導の下、学生は起業したいテーマの設定、企画、ビジネスプランの設計に取り組む。
 ビジネスプランは修士論文に相当するもので、修了時にその成果を教員や外部の専門家の前で発表する。将来性があり、投資価値が高いと判断されたプランについては、大学が外部の投資家などと連携して、起業のための支援を行うことも計画しているという。
 「八王子キャンパスにある片柳研究所では、様々な産学官の共同研究プロジェクトが進められています。今後は、他の3専攻からも新しい特許技術が生まれてくるでしょう。つまり、ハイテクベンチャーを興すためのビジネスプランの材料は十分にあるのです。それを生かした起業のビジネスプランが出てくれば、大学で開発した独自技術の提供や、ベンチャーキャピタルの紹介など、大学が支援できることは多いと思っています」(軽部教授)
 授業では、IT分野やバイオ分野を中心に、ビジネスの事例を豊富に取り上げ、教員を交えて徹底的にディスカッションする双方向参加型を主体とする。研究・プロジェクト科目であれば、学生は自ら問題提起をし、その答えをディスカッションを通じて求めつつ、将来のベンチャー起業につながる、具体性と将来性のあるビジネスプランを設計していくわけだ。
写真
教室はディスカッションしやすいように馬蹄形に机が並んでいる


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