ベネッセ教育総合研究所
特集 保護者と「共育」する学校づくり
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指導サイクルの要所に「保護者会」を配置する
 保護者会の設定時期である6月と11月が学校の指導サイクルと密接にリンクしていることも見逃せない。知立東高校は短期スパンで学習成果を定着させるべく、5期制を採用しているが、保護者会は、このサイクルの要所となる時期に配置されている。
  「1年生では高校生活導入期の総括と文理選択、2年生では中だるみの防止に向けた意識付けと受験1年前の意識付け、そして3年生では受験校決定に向けた話し合いの時期にあたります。いずれも保護者の理解を得ることが重要ですから、保護者会できちんとそれらの意義を説明するわけです」(浅野先生)
  そんな中でも、1年次11月の保護者会は、特に重要な意味を持つという。2学年主任の松本秀樹先生は、その理由を次のように説明する。
  「大学進学に向けて、本校では2年次から習熟度別のクラス編成を行います。しかし、事前に十分な説明がなければ、保護者の中にはクラス分けの方針について疑問を持つ方がいないとも限りません。そこで、私たちの学年では、生徒の成績の推移や志望大の情報などを細かく保護者に説明した上で、クラス編成の方針を事前に伝え、生徒がどのクラスに適しているのかをきちんと理解していただくようにしています。また、学年団で事前に打ち合わせを行い、必ず伝えるべきデータの共有や、教師による視点のぶれを防ぐように留意しています。意識的にこうした説明をするようになった5年ほど前から、クラス分けに対する不満は一切聞かれなくなりましたね」
 5期制や習熟度別クラス編成といった、知立東高校の指導の根幹に対する信頼は、このような保護者との緻密なコミュニケーションによって支えられているのだ。


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