ベネッセ教育総合研究所
Case Study 学力調査を生かした実践事例
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指導の基本は授業指導力を高めることが今後の課題
 部活動を通した生徒指導を生徒の学力向上に結びつけた尾久八幡中だが、川嵜校長は、生徒指導の基本は授業にあると言い切る。
 「どんなに部活動が盛んでも、全員の生徒が大会などで活躍できるわけではありません。部活動はあくまでも生徒のモチベーションを高めるためのもの。一方、勉強は一人ひとりが主役です。日々の勉強を通して、『できた』『わかった』という喜びを得、知識を身につけることで、人間としての人格や品性が育まれるのです。それを育んでいくのが学校の役割であり、義務なのです」
 そのためには、さらに先生の指導力を高め、日々の授業を改善していくことが必要だと川嵜校長は考える。新たな課題への取り組みはもうすでに始まっている。
写真2
■写真2 「習熟度別学習」では図書室も使う
 
「学力調査」の活用と工夫
観点別・領域別に指導法の課題を探り、授業改善へと結びつける
平成14年度末の学力調査結果で、数学を観点別・領域別に調べてみると、「計算はできるがその意味がわかっていない」という生徒が多いことが判明した。「できる」ことと「分かる」ことは違うという認識を調査結果の分析から得て、「分かる」授業のために言葉の意味をきちんと理解させようと、数学用語などの解説を丁寧にするようにした。また、説明や問題の意味がわかるために、「読解力」を高める必要性も明らかになった。
現在は、作文指導にも力をいれている。行事のたびに作文を書かせ、よい作文をどんどん学年便りなどで紹介している。その結果、15年度の学力調査では、「書く力」が区の達成率を20ポイント近く上回り、作文指導の効果を示した。
「学力調査では結果が観点別・領域別に細かく出てくるので、教師の指導法における課題を明らかにすることができます。今後の授業改善に役立てていきたいです」(川嵜校長)


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