ベネッセ教育総合研究所
地方自治体がひらく新しい教育
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教師が学び合える研修を多様に実施
 墨田区の行っている学力向上のための取り組みは、教師の授業力・指導力向上と、子どもたちの自主的学習・家庭学習支援の2本柱によって成り立っている。
  教師の授業力・指導力向上のためにまず活用されたのが、04年度に区独自で実施した学習到達度調査だ。この結果は、各学校で授業改善のための指針として活用され、これをきっかけに基礎・基本を身につけさせるための学習の取り組みが、朝や放課後などの時間を活用して行われるようになった。
  「授業力向上のための研修も充実させます。手厚く行われている初任者研修に加えて、今まで行われていた2年目以降の研修をさらに充実させるため、より体系的に整備しました。その一例として、墨田区では、05年度から2年目の教師とそれ以外の希望者を対象とした授業力向上研修を新設し、年6回実施しています。若い教師に、公開授業や演習を通して指導スキルを身につけてもらうのが目的です」(茅原氏)
  墨田区ではさらに、チームティーチングや少人数指導などの指導法を学ぶ指導法改善研修も実施している。これには各校から必ず1名は参加することを義務づけており、学んだ内容を校内で広め共有してもらうようにしている。
  「これまでは、ある学校や一人の教師がいい取り組みをしていても、それがなかなか周囲に広がりませんでした。しかし、よい取り組みはほかの学校や教師にも知ってもらい、どんどん取り入れてもらうべきです。そうすることで、オリジナリティも出せるようになってくるはずですし、互いの資質向上に役立つと考えられます。こうした取り組みを紹介し合うなど、教師がお互いに高め合えるような研修を行うことができればと考えています」(鹿島田氏)


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