就職内定率
短大卒業後の進路状況を見ると、03年度は、就職(就労者および一時的な就労者の合計)が68.1%、大学への編入学、短大の別科・専攻科などへの進学が11.1%、その他が20.9%になっている。
就職希望者に対する内定率については、文部科学省と厚生労働省が共同で、毎年度10月、12月、2月、4月の各1日に調査を行っている。このうち、4月1日時点における内定率の推移を、専修学校も含めて示したものが図表8だ。 |
図表8 就職内定率の推移 (4月1日現在の経年比較) |
|
文部科学省・厚生労働省調査より |
短大の内定率は、00年度の84.0%を底に上昇へと転じ、02年度、03年度は90%前後の水準にまで回復した。しかも、ここ数年間は、何かと比べられることの多い専修学校の内定率をわずかに上回ってきた。就職難が続く中、一時は実務教育・技術教育に特化した専修学校に内定率で差をつけられたこともあるが、資格取得講座の充実や少人数という特色を生かしたマンツーマンの熱心な就職指導などが実ったのかもしれない。
編入学者数と社会人学生数
短大の今後のあり方として、高校卒業者のみを対象とする教育から脱却して、地域の高等教育の入り口として機能する「コミュニティカレッジ」を目指す方向性がクローズアップされている。そのためには、4年制大学への編入学のルートや、社会人学生の受け入れなど、様々なシステムが整備されなければならず、多くの短大で改革が進められている。
図表9は、4年制大学が受け入れた編入学者の総数と、それに占める短大卒業者数、および編入学者全体に占める短大卒業者の割合の推移を示したものだ。
|
図表9 4年制大学への編入学者数、編入学者に占める短大卒業者数・割合の推移 |
|
学校基本調査(03年度は速報値)より |
編入学者に占める短大卒業者の割合は減少傾向にあるが、これは99年度から制度化された専修学校からの編入学が急増したことが原因だ。
実際、短大の卒業者全体に占める大学への編入学者の割合については、毎年8%前後で推移しており、編入学を目指す学生が短大の中に一定の割合で存在することが確認できる。
一方、図表10では、短大への社会人学生の入学状況の推移を示した。01年度から志願者数、入学者数とも増加していることがわかる。短大入学者全体に占める社会人学生の割合は1%台だが、確実に上昇しており、生涯学習ニーズにも対応していることがうかがえる。
|
図表10 短大への社会人学生の入学状況の推移 |
|
文部科学省調査より |