ベネッセ教育総合研究所
特集 チャレンジする短大
PAGE 16/24 前ページ次ページ


ケーススタディ
(3)新潟青陵大学短大部人間総合学科
オリエンテーションを拡大し履修指導を徹底

 新潟青陵大学短大部は、生活文化学科と国際文化学科を再編統合して04年度に人間総合学科を開設した。
 カリキュラムは「フィールド&ユニット制」を採用。ベーシックフィールドと専門フィールドの二つを柱に、13のフィールドと44のユニットを置く。ベーシックフィールドには外国語や情報処理、教養系科目を設置したユニットを配置。必修の「共通ユニット」は、職業観の育成やビジネスマナーなどキャリアプランニングを軸とした科目で構成されている。専門フィールドは、ファッション、フード、医療・福祉・保育など12分野に分かれている。
 「フィールド&ユニット制」は学生の様々な要望に応えられる一方で、学生が“つまみ食い”的な資格取得に走ったり、ユニットの組み合わせ方で迷ったりする可能性もあるため、丁寧な履修指導が求められる。実際、入学手続きの際に希望する専攻分野についてアンケートをとったところ、「やりたいことがたくさんあって決められない」「資格の取り方について詳しく知りたい」という答えも多かったという。
 そこで同短大では、各フィールドとユニット、科目内容、関連する資格と取得方法、履修の仕方などを詳しく記した「履修の手引き」を作成。従来5日間だった入学式後のオリエンテーションを7日間に増やし、この手引きを使って履修指導をした。個別の質問にも丁寧に対応できるよう、学科の全教員が学生のグループを巡回する形で説明。11の履修モデルのいずれかに誘導することにならないよう、バランスのとれた説明を心がけたという。
 アンケートは、05年度のカリキュラム見直しにも結びついた。福祉系に人気が集中することが確実視されたため、この分野の資格取得に力を入れることにしたのだ。医療・福祉・保育フィールドで国家試験の受験要件を満たすための学習サポートを行うとともに、介護福祉士については専門コースを設置して養成機関としての認定を受け、所定の科目を修めれば自動的に資格が得られるようにする予定だ。
 人間総合学科の設置に伴い、教務部に学生サポートセンターを設置。各ユニットの責任者に加え、計35の資格にそれぞれ担当責任者を置き、問い合わせに応じる体制を敷いている。
 同学科の志願者は、AO入試、一般入試とも前年度の約2倍に増加。社会人の受け入れも検討されたが、新卒者だけで定員が埋まる結果となった。
 今後は、地元企業との連携を図りながら「出口」を視野に入れた実務教育、地域への教育開放にも力を入れる方針だという。


PAGE 16/24 前ページ次ページ
トップへもどる
目次へもどる
 このウェブページに掲載のイラスト・写真・音声・その他のコンテンツは無断転載を禁じます。
 
© Benesse Holdings, Inc. 2014 All rights reserved.

Benesse