(3)行政管理職層(部長・課長などのアドミニストレーター)
国・公立大学の場合はもちろんのこと、私立大学にあっても事務局組織は基本的に官僚型組織である。官僚型組織では、管理職は名前の通り、自分の所轄の組織を管理し、仕事を管理し、職場を管理し、部下を管理するポジションである。つまり、管理職は下を向いて仕事をする。担当係のデスクは書類の山であるが、部課長のデスクには書類がなく、いつも整頓されている。仕事は下から上がってきて、それを決裁するのが管理職の役目である。
それは、人事異動によって定期的に職場を移っていくゼネラリストの世界に特有のものでもある。ゼネラリストの価値は組織全般にわたる仕事の経験からくる、組織のいわば常識とでもいうものを判断基準として身に付けていることである。社会の常識はともかく、組織の常識は体現しており、穏当な決定の質が確保されるというメリットが「売り」である。
しかし最近では、新しいタイプの管理職が求められるようになってきた。これを筆者は「プロフェッショナル型アドミニストレーター」と呼んでいる。
それはゼネラリスト型というよりは、何らかの専門性(スペシャリティー)をもってそれをベースに仕事をするという、スペシャリスト型を加味した新しいスタッフである。しかし、これまでのスペシャリストのように、狭い専門性の中に閉じこもるのではなく、組織全体の展望を視野に入れたなかでの専門性の生かし方を常に考える、いわばゼネラリストとスペシャリストのハイブリッド型プロフェッショナルである(図表1)。
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