教学系列と経営系列の組織は、他大学と大差はない。ただし、「学部教授会」の上に、代議制の「大学評議会」を設置し、学則上の意思決定機関として位置づけている点は特徴的だ。篠田道夫常任理事は、これについて「学部の見地だけでなく全学的視野で改革の推進を図るため」と説明する。
ユニークなのは、これらと独立させる形で政策審議系列を設けている点だ。その中心となるのが「政策推進会議」で、理事、この後説明する執行役員、学長、副学長、学部長など、法人と教学の責任者が一堂に会して大学全体の政策を協議する。目的は「教学と経営の温度差や見解の相違を認識し合い、合意形成を図る」(篠田理事)ことにある。
議論の中で決定が必要なものは、総長直轄の審議機関である「学園戦略本部」に上げる。法令上規定された組織ではないが、学内では大きな力を持ち、その議決は理事会や大学評議会など法令上の正規の議決機関に諮られ正式決定される。
同大学では、約20年前のキャンパス移転に伴う志願者減をきっかけに、中・長期計画にのっとった改革が必要との認識が高まり、長期計画推進本部など様々な会議体で議論が行われ、組織改革が進んだ。管理運営機構の整備で、理事長と学長、総長などトップの役割も明確になった。理事長は理事会を、学長は大学評議会をそれぞれ代表し、総長は付属学校等も含めたすべての教学機関の統括責任者であると同時に、経営と教学の政策統合の最終責任者として位置づけられている。現在理事長と総長は兼任となっている。
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