執行役員制には政策課題吸収の狙いも
決定された政策を確実に実行するための仕組みが「執行役員制」だ。執行役員とは、意思決定を行う取締役に対して、実際の政策執行に責任をもつ役員のこと。政策決定と執行が一定の緊張関係を保ちながら組織体を統治する仕組みで、民間企業で多く見られるシステムを導入した。
近年の大学の機能は、高度化・複雑化が進み、寄付行為で定めた人数の理事だけですべての領域の執行責任を負うことが困難になっている。また、執行責任は個人に帰属しないため理事会の全体責任となり、多くの会議体での議決が必要になる。こうした状況を打開するために、同大学では、以前からある理事の担当責任制を発展させ、執行権限を持つ「執行役員会」を別に整備した(図表2)。
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