ベネッセ教育総合研究所
特集 今、なぜキャリア教育か
 
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業種別、職種別に、多彩な授業科目を設定

 法政大学キャリアデザイン学部では、キャリア教育をいくつかのステージに分けて捉えている。すなわち、学生が
(1)それまでの生活経験を振り返る
(2)自分とは何かを見極める
(3)世の中の仕組みを知り、自分の学ぶことが社会とどう結びついているのかを理解する
(4)社会の中で自分の進むべき方向を探索し具体的な努力をする
という分け方だ。
 カリキュラムは、この各ステージに応じて設計されている。ただし、各ステージの学習を完結させるのに必要な期間は異なるため、履修年次の自由度は高く、2年次後期からはほぼすべての科目を履修できるようにしてある。
 1年次には、市ヶ谷キャンパス独自の教養科目と語学科目で構成される「市ヶ谷基礎科目」のほか、社会人としてのマナーを扱う「職業能力ベーシックスキル」、外部講師が担当し、自分とは何かを考える一助とする「アイデンティティ形成基礎演習」などの基礎科目が配置される。入学直後の2泊3日の合宿では、キャリアとは何かを考える「入門ゼミ」や、大学で学ぶために必要なリテラシーを身に付ける「基礎ゼミ」などの少人数教育も行われる。
 2年次の前期は、「職業選択論」「キャリア形成と学校」など、キャリアデザインに関わる基本的な科目を履修する。後期以降は、キャリアデザイン系と生涯学習社会系に分かれ、職業の現場に必要なスキルなどを学ぶ展開科目を必要に応じて選択する。  キャリアデザイン系科目には、「フードビジネス論」「流通・サービスビジネス論」「コミュニティビジネス特講」など業種別の科目と、「経営管理プロフェッショナル実務」「プロフェッショナル実務」「セールスプロフェッショナル実務」「技術管理プロフェッショナル実務」など職種別の科目がある。職種別科目は、一見すると実技科目のようだが、川喜多教授は、「十分な知識もないまま、資格や技術さえあればよいと思い込まぬように、実務の内容を理解させることが中心。実技は専門学校で学んだ方が効果が高いことも多いので、ダブルスクールを奨励するキャリアアップ奨励金を出している」という。



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