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小さな子どもとメディア
親と子のメディア研究会
最新!メディア研究ニュース
ここでは、「小さな子どもとメディア」についての最新の研究をご紹介します。
菅原ますみ先生の研究レポート(第3回) 赤ちゃんと幼児の新しいテレビ・ビデオ視聴の研究について
菅原ますみ先生
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科心理学講座教授
テレビの接触量は1歳、ビデオの利用量は2歳がピーク。ゲームの利用は5歳に向けて増える

 研究レポートの第3回では、3歳から就学前までを中心に、乳幼児とメディアに関する長期追跡調査(※1)の中でわかってきたことをご紹介いたします。子どものテレビ接触時間は0歳から5歳まで通してみたとき、1歳をピークとして、その後、2歳〜5歳にかけてゆるやかに減っていました。ビデオの利用をみると1〜2歳がピークでした。子どもは1歳より2歳のほうが外で遊ぶ時間が増え、さらに多くの子どもが3歳以降には通園し始めますので、家庭で過ごす時間が減ってくることも関係するように思います。なお、ゲーム利用は5歳にかけて少しずつ増えていきます。さらに分析していくと、0歳のときテレビ接触量の多い家庭は、1歳から5歳の時点でも相対的に多いままであり、逆に、0歳で接触量が少ない家庭は、1歳から5歳でも少ないまま推移することがわかりました。ご家庭でのメディアとの接し方が、小さな子どものメディアとの接し方の基礎となっている様子がうかがえます。子どもの生活のなかでメディアをどう使っていくか、早い時期にご家庭で考えていくことが大切だと思います。

(※1)「子どもに良い放送プロジェクト」NHK放送文化研究所

家庭でのメディアとの接し方で大切なのは、内容の「共有」と内容や時間の「選択」

 調査からは、子どものテレビ接触時間を押さえることにつながる大切な2つのポイントも浮かび上がりました。ひとつは、親子で同じ番組を一緒に見たり、見ている内容について話したりするなど「見る内容を共有すること」です。とくに視聴時の親子の会話は、就学前期の子どものことばの発達や社会性の発達にもよい影響を及ぼすことがわかりました。 もうひとつは、子どもに見せる番組を決めたり、見せたくないものは番組を変えたりするなど「子どもが見る番組や時間を選択すること」です。子どもと一緒に見る番組を決めてそれが終わったらテレビを消すなど、親が意識的にコントロールすることで、子どもの視聴時間を過度なものにしないですみます。 このような親子でのメディアの共有や親のコントロールは、ご家庭でのメデアとの接し方を考えるときにも大切な鍵となるでしょう。また、第2子以降になると第1子のときよりも親子でのメディアの内容共有や内容や時間の選択が少ないこともわかりました。上にきょうだいがいる子どもにも、意識してメディアへの接し方に気を配ってあげられるといいと思います。

3歳から就学前までこそ、親子でメディアとの接し方のルールを身につけるチャンス

 メディアなしには成り立たない時代の中、子どもが小さいうちから、テレビやビデオ、ゲームを制限なく見たり使ったりするものではなく、ルールを守りながら見たり使ったりするものであることを学ぶのは大切なことです。子どもは通園をきっかけに、生活リズムがより規則的になり、ご家庭での過ごし方も整ってきます。その一環で、幼児期のうちにご家庭でのルールのあるメディアとの接し方についても親子でいっしょに取り組めるといいと思います。3歳くらいになると、子どもも少しずつルールの内容を理解し、守ることの大切さもわかってきますので、親子でメディアとの接し方のルールを決めて身に付けるいいチャンスではないでしょうか。もちろん、最初のうちは、子どもも一人ではなかなかルールを守れないでしょうから、親のじょうずなペースメイキングが必要です。見る番組が終わったら、スムーズに次の楽しい活動に移れるようにあらかじめ準備をしておいたり、子どもが自分から「今日はもう終わり」と切り上げることができたら、「えらいね。また明日ね。」とほめてあげましょう。いつも叱られて終わり、というのではなく、ルールを守ってテレビやゲームと付き合ったほうがもっと楽しい、と思えるようにご家庭で工夫していただけるとありがたいと思います。

 小学生になると、外で遊んだり友達の家にいったりするなど子どもの活動が親の目を離れる時間が増えますし、友達との付き合いのなかでもゲームの共有やテレビ番組の情報交換などが大きな役割を占めるようになります。家庭のなかでも学習や宿題、明日の準備など、しなければならないことも多くなっていきます。児童期・思春期は、テレビやビデオ、ゲームなどを見たり使ったりする時間や内容を子どもが自分で選択したり調整したりしなければならない状況も多くなり、ますますルールあるメディアとのつきあいが重要な課題になっていきます。このような小学生以上での生活の変化を見通すと、テレビやゲームに最初に出会う幼児期のうちに、親子でメディアの接し方のルールを工夫して身につけておくことはとても大切なことだといえます。

 
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