これまでの研究テーマの一覧を見ると、「レーシングカートの研究」のように、趣味の延長のようなテーマも排除されないことがわかる。「本荘市活性化計画」「八郎潟残存湖における生物を用いた環境修復に関する研究」など、地域の問題に積極的に取り組む例も目立つ。「秋田県清酒産業の現状と課題に関する調査研究」は、全国でも数少ない醸造学の専門家がいる同大学ならでは。「現代の`花咲か娘a―開花を遺伝子で制御する」「小さくてもスゴイんです―クラブアップルの食品機能性」など、科学的探究心を遊び心のあるタイトルで表現したものも。
国際貢献につながった研究もある。00年度には、「自然エネルギーを動力源にした自家発電装置でネパールの山村の発展に貢献したい」と考えたグループが、自主研究で水力発電装置を設計。これをもとに企業が装置を製作し、学生らが現地に設置するプロジェクトに発展した。活動の一部は、自主研究制度の中で代々後輩に受け継がれている。報告書からは「1週間の高山病対策トレーニング」「現地入手の蛍光灯の品質がよくなく予定量の半分以下しか点灯できない」「改善工事実施で計画通りの本数を点灯!!」など、苦労と感動の道のりが浮かび上がる。
「県立大学のリサイクルシステム構築のための基礎的研究」では、キャンパスのごみ処理の実態と学生の意識調査を実施。これをもとに大学に対して、種別ごとの排出量に応じてごみ箱の大きさを変えることなど、分別の徹底を提案。大学がそれを採用し、地元紙で取り上げられた。
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