ベネッセ教育総合研究所
特集 大学広報の今、これから
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学生がいいなと思っていることを、さりげなく伝えたい(福川)

司会 大学や学部のパンフレットは、どのような視点で作られていますか。
伊藤 本学では、学部や目的別に様々なパンフレットを作っており、「読みたいパンフを見つけるガイド」まであります(笑)。これほど多くの種類のパンフレットを作るのは、学部や学科によって受験生の志向性が異なり、同じようなパンレットを作っても、受け取り方がまったく違うことが意識調査などで明らかになっているからです。
福川 大学パンフレットでは、こんなすごい教授がいて、こんな立派な研究や教育をやっていますよと、高校生からすると、いかにも高みから見下ろされているような内容になりがちです。しかし、これはむしろ大学との距離感を高校生に感じさせてしまいます。日頃、学生が大学に対していいなと感じていることを、さりげなく伝えられるような内容でありたいですね。
伊藤 本学のオープンキャンパスのパンフレットは、まさにそこを狙っています。内容についてはすべて学生が企画し、学生の声を中心に載せています。文章も、学生が書いたものだと長くても受験生は読んでくれるようです。
司会 内容構成や体裁面で見たとき、最近の大学パンフレットは変わってきているのでしょうか。
福岡 学生へのインタビュー記事を載せているケースが目立ちますね。しかし、掲載されている写真が全部笑顔だったりすると、受験生は「ウソっぽい」と感じてしまいます。笑顔さえ載せておけばいいというのは安易です。
 内容構成では、イメージ写真が少なくなりデータや文字が増えて、一種の仕様書のようになってきた気がします。また、受験生に伝えたいことを最初にドンと載せるケースが増えてきたと感じています。例えば、著名なOBをズラリと並べる、就職や資格取得状況で他大学との比較を行う、大学院を詳細に解説するといったことを、学部紹介ページの前に載せるわけです。体裁面での特徴としては、ページ数が減って薄くなり、文字が小さくなってきました。こうしたパンフレットの変化に比べると、ホームページの方は長い間、文章やデータが更新されないままになっているなど、対応が遅れているケースも目立ちます。


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