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Benesse発 2010年「子どもの教育を考える」
このコーナーでは、教育のあるべき姿をベネッセ教育研究開発センターと、皆さんと共に考え、創りあげていきます。
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『Benesse発2010年「子どもの教育を考える」』更新終了のお知らせ

『Benesse発2010年「子どもの教育を考える」』は、2010年3月31日をもって、更新を終了させていただきました。
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研究員リポート
データからみる今と未来

第21回 小・中学校教員の学習指導に対する意識と実態(1)―第4回学習指導基本調査の結果から

ベネッセ教育研究開発センター 朝永昌孝 (2008/2/20更新)

 ベネッセ教育研究開発センターでは、2007年8月〜9月、公立小・中学校の教員および校長を対象に「第4回学習指導基本調査」を実施した(詳しい調査概要はこちら)。この調査は、小・中学校での学習指導の実態や教員の意識を把握することを目的としており、これまで1997年(中学校教員対象、97年調査)、1998年(小学校教員対象、98年調査)、2002年(小中学校教員および校長対象、02年調査)に実施している。そこで以下では、約10年前(97年調査・98年調査)と5年前(02年調査)の調査結果と比較しながら、現在の教員の学習指導に対する意識や実態をみてみたい。

教員の教育観が大きく変化している

 はじめに、「授業や生活指導の面で、どのようなことを大切にしていますか」と教育観を尋ねた結果を取り上げよう。この設問では、対になる2つの教育観を提示して、あえていえばどちらを重視するかを選んでもらっている。

 図1は、小学校教員について、98年調査と今回の調査(07年調査)の結果を比べたものである(02年調査ではたずねていない)。これによると、「どの子どもにも、できるだけ学力をつけさせること」と「勉強が苦手な子どもには、別の能力を伸ばしてやること」という学力や能力に関する教育観では、98年調査から07年調査で「できるだけ学力をつける」という回答が増加し(79.2%→91.8%)、代わりに「別の能力を伸ばす」が減少した(19.6%→6.1%)。また、「不得意な教科や領域の学力をつけさせること」と「得意な教科や領域の学力を伸ばすこと」という対では、「不得意を重視」が42.8%から72.0%へと大幅に増加し、代わりに「得意を重視」が55.6%から25.6%へと減少している。

 また、学校の役割について尋ねた項目では、「家庭や校外での生活も、できるだけ指導すること」が増加し(57.4%→65.8%)、「学校の責任を学校生活に限定して、その範囲で努力すること」が減少している(41.4%→31.7%)。さらに、学習習慣については「たとえ強制してでも、とにかく学習させること」という意識が増加し(12.2%→23.0%)、「自発的に学習する意欲や習慣を身につけさせること」が減少しており(87.3%→74.6%)、教員が積極的に子どもに学習させようとしている様子がうかがえる。こうした傾向は、中学校の教員についてもほぼ同様であった。

図1:授業や生活指導で大切にしていること(小学校教員)

図1:授業や生活指導で大切にしていること(小学校教員)

*2つの項目のうち、いずれか一方を選択。「無答不明」があるため、各設問の合計は100%にならない。

宿題や家庭学習時間の指導の増加

 できるだけ子どもに学力をつけさせようという意識への変化は、宿題や家庭学習指導の増加という形で表れている。小学校教員が宿題を「毎日出す」と回答した割合は、98年調査84.8%→02年調査85.8%→07年調査94.0%と増加しており、その分量も増えている(図2)。中学校については、教科担任制のためたずね方が異なるが、宿題を「授業のたびに出す」という回答は、97年調査15.5%→02年調査18.4%→07年調査25.6%と増加しており(図3)、同様の傾向である。

 さらに、宿題だけでなく、家庭での学習時間の指導をする教員の割合も増加している。家庭での学習時間の指導をしている教員の割合は、小・中学校ともに02年調査では6割程度だったものが、07年調査では7割を超えており、家庭学習を重視していることがわかる(詳しいデータはこちら)。

図2:宿題を出す頻度と1日あたりの量 (小学校教員)

図2:宿題を出す頻度と1日あたりの量 (小学校教員)

図3:宿題を出す頻度と1回あたりの量 (中学校教員)

図3:宿題を出す頻度と1回あたりの量 (中学校教員)
「確かな学力」の向上に向けて

 学力低下への不安などを背景として、「確かな学力」の向上を目指す政策が進められている。調査結果をみると、学校現場では「確かな学力」の向上の流れに呼応するように、どの子どもに対しても最低限の基礎・基本となる力を習得させるように学習指導を進めていると考えられる。このような指導を進めることは欠かせない。

 では、さらにこれからの時代に必要とされる力ということを念頭においたとき、どのようなことが課題になってくるだろうか。次回は、引き続きこの点について考えてみたい。

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