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Benesse発 2010年「子どもの教育を考える」
このコーナーでは、教育のあるべき姿をベネッセ教育研究開発センターと、皆さんと共に考え、創りあげていきます。
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『Benesse発2010年「子どもの教育を考える」』更新終了のお知らせ

『Benesse発2010年「子どもの教育を考える」』は、2010年3月31日をもって、更新を終了させていただきました。
これまでたくさんのアクセスをいただき、ありがとうございました。

教育の第一人者からのビデオメッセージ 「2010年に向けて〜 教育への提言 」
第1回 エゴ・レジリエンス力を高める 〜バランスのとれた子育てをするために〜
「2010年子どもの教育を考える」というテーマに対し、目白大学人間学部教授の小野寺敦子先生から大切にしたいキーワードを上げていただき、お話を伺いました。第1回目は「エゴ・レジリエンス力を高める 〜バランスのとれた子育てをするために〜」です。

● 2010年「子どもの教育を考える」にあたり、先生が大切にしているキーワードを教えてください。

 「エゴ・レジリエンス力を高める」

 「生き生きパパ・ママ」

 という2つが、私が考えるキーワードです。

 1つめのキーワードを伺います。「エゴ・レジリエンス」とは、どのような力かと申しますと、例えば私たちの生活の中では、「頑張らなくてはいけない」時と「開放して思いっきり楽しみたい」時があります。人は何かストレスがかかるようなとき、自己抑制して、我慢してなんとか頑張ろうとします。一方で、ストレスを感じない状況のときには、思いっきり羽を伸ばして、心からリラックスすることができます。
 しかし、頑張るばかりではストレスがさらに高くなってしまいますし、いつも羽を伸ばしていれば日々の生活に支障が生じるでしょう。
 「エゴ・レジリエンス」とは、このような「自己抑制力」と「自己解放力」を調節する、スイッチのようなものです。これは、柔軟性や弾力性という言葉に言い換えることもできます。例えば、心の中に「扇(おおぎ)」のようなものがあると考えてみて下さい。困ったことや嫌なことがあると、扇が開いて、一生懸命応戦して戦ってくれます。そして、困ったことがうまく終結すると扇が閉じます。
 「エゴ・レジリエンス」は、状況や心・体の変化に応じて、私たちの中で、この扇が柔軟に開いたり閉じたりして働いている機能、ということができます。

●「エゴ・レジリエンス」力が分かる方法はありますか?

 ブロックというアメリカの心理学者がいますが、その人が提唱している14項目からなる「エゴ・レジリエンス尺度」が心理学の中で使われ始めています。自分の「エゴ・レジリエンス」に関心のある方は、 自己チェックとしてやっていただくと、参考にしていただけるでしょう。

エゴ・レジリエンス尺度
エゴ・レジリエンス尺度

 その中で、特にユニークな項目を2つご紹介しましょう。1つ目は「今まで食べたことがない食べ物を進んで試してみるほうだ」という項目です。知らない食べ物を嫌だと思うか、未知な食べ物も、もしかしたら辛いかもしれないけれど食べてみよう、という好奇心・柔軟性のある態度を聞いています。2つ目は「いつもの場所へ行くにも違う道を通ってみたりするのが好きだ」という項目です。同じ駅まで行くときに、いつも同じ道を通るのではなくて、「今日は天気がいいから、桜の花が咲いている道を通って、花を観賞しながら歩いてみよう」と思うような、心の余裕を聞いています。

● 「エゴ・レジリエンス」力が高いと、どのような効果があるのでしょうか?

 色々な方にこのエゴ・レジリエンス力のチェックテストを行っていただいたのですが、中でもお母様方にエゴ・レジリエンス力をチェックしていただいたのですが、エゴ・レジリエンス力のあるお母様は、子育てを楽しんでいて、子どもとの関わりが上手にできているという傾向がありました。これは楽に子育てしているという方が少ない時代の中で、生き生きと楽しく子育てするためのひとつの力だと考えています。具体的には、規則正しい生活リズムで子どもを育てようと、自分自身をきちんとコントロールする自己抑制力もありますし、子どもと一緒に公園に行って、時には一緒に遊んで自分も自己開放する、という子育てのバランスの良さがあるお母様だと考えています。

● 保護者の方の「エゴ・レジリエンス」力は、子どもの発達や成長にどういった影響がありますか?

 小さいときから子どもにはさまざまな気質がありますが、子どものエゴ・レジリエンス力を高めるということが、将来親になったときに、エゴ・レジリエンス力を発揮しながら、嫌なことに立ち向かっていく力となります。母親になる方はバランスよく子育てしたり、父親になる方は仕事と家庭のバランスをうまく調整したりしながら生活していくことができるでしょう。いかに小さいときからエゴ・レジリエンス力をつけていくか、ということを私も今後研究していきたいと思っています。

(2009年2月16日収録)

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小野寺 敦子先生
小野寺 敦子(おのでら あつこ)
目白大学人間学部教授
に親についての問題を心理学的に研究し、テーマとしては親意識の形成過程に関する研究 /父親と子ども/青年期の親子関係に関する日米比較/親に対するアンビバレントな感情/中年期の親子関係 など。その他主観的幸福感、ポジティブ心理学の研究もおこなっている。著書に『手にとるように心理学がわかる本』などがある。