e授業のある風景 京都府城陽市立南城陽中学校

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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学校に誇りを持てるような環境づくりを

 日常的な活用が、更にIT教材の活用にもつながった。それが、教材ソフトの『地理探険ナビ』だ(P.
4参照
)。植村教頭が、高橋さんに「地理の学習に使えるソフトがあるそうですね。」と聞いたのがきっかけで導入された。社会科の教師の間でも、実際の画面を出しながら、子どもたちの反応を予想して進め方を考えられると好評で、いろいろな活用法を試しながら指導案を作成した。
  「時差の学習は、黒板や教科書だけの説明では理解が難しいと、以前から感じていたのですが、さまざまな角度で映像を見せたり、シミュレーションしたりすることで、格段にわかりやすくなると思います」(社会科・増馬俊之先生)
  『地理探険ナビ』を使った授業で活躍するのが、50インチ1台、32インチ2台の大型ディスプレイだ。「必要がある」と判断し、通常予算の中でやりくりした。1台のパソコン画面を同時に3台のディスプレイに投影することで、見えにくい子どもがないように工夫した。導入に踏み切った背景には、必要性や学習面の効果のほかに、森口校長の思いもあった。
  「学校に家庭にはないような大きなディスプレイがあれば生徒の意欲・関心も高まり、学校に来る楽しみの一つになります。生徒のがんばる環境を整えることが私の仕事と思っています」(森口校長)
  「ITをどう活用するか」が出発点ではなく、子どもが「がんばろう」と思える環境を整えることを第一に考える――そんな姿勢の南城陽中学校から、今後のIT教育の発展の可能性が見えてきた。

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