教育現場の挑戦 意欲を高める「学校」づくり

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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がんばる姿を認め合う校風が学習面にも波及

  学習指導には、どのような工夫があるのだろうか。
  教科指導で活用しているのは、学習カードだ(図2)。全教科の単元ごとに1枚配付。構成やねらいが書かれており、生徒が自己評価を記入できるようになっている。単元テストで何%正解したらA・B・Cの評価がつくかなど、評価の場面・方法も示されているため、生徒にとっても教師にとっても、一目で単元の学習内容がわかる。
  これを授業の最初に生徒に配付し、授業の目標を確認させ、終了数分前には感想・反省を記入して回収。単元終了時には、生徒は全体の感想・反省を記入し、教師がその単元の学習の評価を記入して保護者に渡し、確認印をもらい回収している。
  「保護者との面談の前に、カードを返却し、目を通してもらうようにしています。面談では会話のきっかけになっています」(岩田先生)
  こうした取り組みがうまく機能するのは、城東中学校がめざしている「質の高い集団づくり」の取り組みがあるからだ。全力を尽くして目的を成し遂げることの尊さを経験したことが、「がんばって勉強する姿を認めて競い合う校風」につながっているのだ。
  「休み時間に単語帳をめくっている生徒がいても、ほかの生徒は冷やかしたりしません。逆に、友だち同士で問題の出し合いをしている姿をよく見かけます」(不破校長)
▼図2 学習カード
図2
各教科の単元ごとに学習目標と評価方法を明記したカード1枚を配付。生徒は毎授業、自己評価を書き込む。単元終了後は、授業全体の自己評価をして保護者に見てもらったあと、担任に提出する

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