第2部 学力調査を活用した実践事例 [事例4]埼玉県 ふじみ野市立福岡中学校
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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学力調査を活用して自ら学ぶ生徒を育てたい

 学力下位層の意欲向上を通じて集団全体を動かすという取り組みは、福岡中学校でも初めてのことだ。それだけに、今後考えていかなければならない課題も多い。
  まず、学力や家庭学習時間の達成目標をどう明確化していくかだ。福岡中学校では、数値目標を設定し、成績下位層の生徒の成績の変化が全体に波及したのか、あるいはしなかったのかも検証していく計画だ。
  もう一つは、学力調査結果をどう活用すれば、家庭との連携を深められるのかを研究することだ。これまでは、毎年夏に行う家庭訪問の際に、生徒の個別成績表を担任が保護者に渡すのみだった。しかし、今後は学校全体の成績も併せて伝えていくことが課題となっている。
  更に、各教科や学年での指導の実態も把握していきたいと山?先生は語る。繰り返し学習が学力向上に効果があったのかどうか、定期的に研修会を実施して検証し、秋には中間報告会を開く予定だ。
  「本校の取り組みはまだ試行錯誤の段階ですが、最終的な目的は学力を上げることだけではありません。繰り返し学習による達成感をきっかけにして、生徒たちの生活習慣の改善を図るのが目標です。学力調査のデータをうまく活用しながら、将来も自ら学び続ける姿勢が身に付いた生徒を育てていきたいと思います」(山崎先生)」

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