ベネッセの研究開発 小中学生のICTメディア利用実態
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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明日の教育を考える
ベネッセの研究開発

今回紹介する調査テーマ

小中学生のICTメディア利用実態

ICT機器に関する、保護者や子どもの意識を、踏まえた指導を

携帯電話やパソコンの急速な普及は、
子どもの生活や考え方に大きな影響を与えている。
保護者や子どもは、これらのICTメディアに対して、どのような考え方を
持っているのだろうか。総務省からの委託を受け、
ベネッセ教育研究開発センターが実施した調査を紹介する。

有害情報や犯罪に不安を持つ保護者が多い

 コミュニケーションや情報収集の手段として急速に普及したパソコンと携帯電話。本調査では、中学3年生で「子ども専用」と「家族と共用」を合わせて95.5%が家でパソコンを使い、「自分専用」と「家族と共用」を合わせて69.0%が携帯電話を持っていることがわかった(注1)。
 しかし、パソコンや携帯電話の利用には、有害情報へのアクセスや個人情報の漏洩のほか、匿名掲示板への書き込みによるトラブルといったリスクがつきまとう。保護者は子どものパソコン・携帯電話の利用についてどのように捉えているのか。
 パソコンについては、小1から中3の子どもを持つ保護者の8割が「メリットが大きい」(「メリットが大きい」と「どちらかというとメリットが大きい」の合計、以下同)としている。しかし、携帯電話については、「メリットが大きい」と「デメリットが大きい」(「デメリットが大きい」と「どちらかというとデメリットが大きい」の合計)がほぼ同数だった。保護者の意識は、パソコンと携帯電話で大きく異なることがわかる(図1)。

図1

 メリットとデメリットの内容を尋ねると(図2)、パソコンについては、情報収集や学習への役立ち感が高い反面、有害情報への懸念も強い。自由記述では、「自分で調べものをするようになった」「勉強に役立つ」とメリットを指摘する声が目立った。
 これに対し、携帯電話は、親子での連絡に役立つという回答が9割に達した反面、有害情報や犯罪に対する心配、子どもの友人関係が見えにくくなるという回答が6〜7割あった。自由記述では、「料金が高い」「使い過ぎ」といった声が多く、携帯電話と子どもとのかかわりに悩む保護者の状況がうかがえる。

図2

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