記念特集 中学校教育のこれまでとこれから
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「3年間付き合っていく場所なんだから お前の好きな高校にすればいい」

  県内でも有数の進学校である男子校に行くか、それとも文化祭や体育祭など学校行事に非常に力を入れている共学校に行くかで悩んでいたとき、担任の先生からこう言われました。自分が世間体を気にしていたことに気づき、迷わず後者に決めました。そこでの高校生活は、もう一度戻りたいと思えるような楽しいものでした。また、生活にめりはりが付けやすかったせいか勉強もはかどり、志望大にも現役で合格することができたのです。あのときの先生の一言により、正しい選択ができたと思っています。(男性)

「きみの方が正しいとオレは思う」

 ある先生からクラスメイトの面前で不愉快なことを言われ、思わず「ふざけるな」と叫んでしまいました。私は比較的まじめな生徒だったので、この件はすぐに職員室中の話題になり、担任の先生からも事情を聞かれました。私は、発言そのものは不適切だったと反省しましたが、考えを曲げるつもりはなかったので、自分の考えを説明した上で「謝る気はありません」と話しました。教師と生徒間のことで、自分が不利だろうと思っていたのですが、担任の先生は私の主張を理解してくれました。そして、「きみの方が正しい」とはっきりと言い、相手の先生を注意してくれたのです。対等な人と人との問題として判断してくれたことに感謝しています。(男性)

「財産持ちだな〜」

 テスト期間直前の自習時間に先生が机間指導しながら、よく言っていた言葉です。「失敗は財産だからな。これを基に学び直せばいいんだ」。授業中に配ったプリントやワークで、自分が間違えたところから勉強するのが、一番勉強になる。失敗を振り返るのは億劫なことだけれど、結局はそこを見直すことが最善の方法だ、と先生に教えていただきました。(男性)

「きみは、きっとできると思うんやけどな」

 中学3年生の冬、成績も上がらず、志望校も決まらず、どうしたらよいかわからずに授業中に泣いてしまったことがありました。その時、先生から言われた言葉です。この一言で、「私はできるかもしれない」と信じることができました。先生とは、言葉一つで生徒と向かい合い、勇気付け、元気付けるすばらしい存在なんだな、と今振り返ってみて感じます。(女性)

「人は自分と違って当たり前。 でなきゃ面白くないやろ?」

 部活動の運営に関する考えの違いから、部長と副部長が対立。部全体が二つに分裂してしまい、その関係を修復するため、顧問の先生を交えて話し合いを行いました。そのとき先生は私たちに、「人は自分と違って当たり前。でなきゃ面白くないやろ? 違う考え方を受け入れて成長することが、共に生きる≠チてことなんやないか」とおっしゃいました。全員が「違うことを否定してはいけない」と気づき、その後は相手の考えに耳を傾けるようになりました。結果、部は再び一つにまとまりました。(女性)


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