特集 家庭学習─机に向かう習慣づくり
兵庫県尼崎市立南武庫之荘中学校

兵庫県尼崎市立南武庫之荘中学校

◎1972(昭和47)年開校。「表現を通して『生きる力』を育む」を教育研究テーマに掲げ、基礎・基本の学力定着に加えて、発展的な学力として表現力の育成にも力を入れる。

校長◎倉橋忠先生
生徒数◎718人
学級数◎21学級(うち特別支援学級2)
所在地◎〒661-0033 兵庫県尼崎市南武庫之荘4-11-1
TEL◎06-6436-2241
URL◎http://www.ama
-net.ed.jp/school/J17/

倉橋 忠

▲尼崎市立南武庫之荘中学校校長

倉橋 忠

Kurahashi Tadashi

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【学校事例3】〈教科間での調整〉〈宿題提出の徹底〉〈部活動の活用〉

宿題の質と量を見直し
提出率が6割から8割に

兵庫県尼崎市立南武庫之荘(みなみむこのそう)中学校

尼崎市立南武庫之荘中学校が焦点を当てるのは、家庭での学習という「場」ではなく「学習時間」。
教科の垣根を越えて宿題の質と量を調整すると共に、学習の進み具合をフォローアップする体制を築いている。

取り組みの3つのポイント
全教科の宿題を「1週間単位」に統一。教科間で量を調整し、生徒の負荷を平準化する
教科・学級両担任に加えて、市が開く「土曜チャレンジスクール」の外部指導員とも連携。宿題を提出しない生徒をフォローする、1週間のサイクルを確立
「家庭学習」にこだわらず、授業以外の校内での学習時間の確保を重視。定期テスト前1週間は部活動の練習時間を短縮して、部でテスト勉強に取り組ませる

宿題の質と量を調整し達成感を味わわせる

 南武庫之荘中学校が全校を挙げて学習習慣の定着に取り組み始めたのは、3年前のこと。家庭環境が厳しい生徒が多いこともあり、特に基礎基本の定着のために欠かせない、授業以外の学習時間をいかに確保させるかが大きな課題だった。4年前に赴任した倉橋忠校長が掲げた方針は二つ。一つ目は、宿題の質と量を調整することだ。
 「まずは、宿題にきちんと取り組ませることから始めました。ポイントは、難し過ぎない内容で、多過ぎない量とすること。この2点に尽きます」(倉橋校長)
 市の教育総合センターで所長を務めていたころ、特に小学校の低学年で宿題の提出率が高い理由として、(1)どのような学力の児童でも取り組める宿題を出していること、(2)学級担任制のため、宿題の量を教科間で調整できていること、の二点に着目。これを中学校で実現する方法を考えたという。
 二つ目は、宿題を通して達成感や成就感を味わわせることだ。
 「教師には、定期テストに出す問題をあらかじめイメージして、それと直接結び付くような宿題を出してもらうようにしました。生徒には、宿題に取り組んだからテストで得点できるようになった、という喜びや達成感を感じてほしいのです。そうした積み重ねが、目標に向かって努力する姿勢や学習意欲にもつながると思います」(倉橋校長)
 こうした考えに基づき、各教科で宿題の量を調整しながら、生徒一人ひとりを徹底的にフォローする取り組みを始めた。

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