課題にフォーカス
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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月1回、保護者と校長が自由に語り合う

 毎月第2木曜日の午後7時から1時間30分、井戸端会議的な自由な集いとして星野校長が主催するのが「共育を語ろう会」だ。星野校長が同校に赴任した06年から開催している取り組みで、教育に関するテーマを星野校長が毎回設定し、資料(図1)を選定した上で、保護者と自由に語り合う。「学力問題」、「部活動」、「ケータイ」、「環境教育」など、中学生の保護者が関心を持っている話題、その時々で社会で広く議論されているテーマを取り上げている。

図1:共育を語ろう会資料
図1:共育を語ろう会資料
「共育を語ろう会」で使用される資料は、毎回校長が中心となってまとめる。校内データが盛り込まれ、高浜中学校の様子が分かる資料となっている

 「参加人数は各回10〜30人ほどです。ケータイなど保護者の関心が高いテーマでは、全国規模の調査資料だけでなく、高浜中学校の実態が分かるデータも出来るだけ盛り込みながら資料を作成しています。全国的な傾向なども大切ですが、保護者は『自分の子どもの学校の実態』に関心を持っているものです。保護者が理解しやすいよう、また議論が活性化するように、資料作りには配慮します。学校としては気軽に語り合える雰囲気を大切にしていますので、あえて議事録などは作らないようにしているのです」(星野校長)
 「共育を語ろう会」は、テーマによっては教師も任意で参加する。校長がどのような発信をし、それに対して保護者がどのような反応をするのかを自分自身で確かめるためだ。それだけにとどまらず、自分の考えを校長や保護者に直接ぶつけるために出席する教師もいる。
 「例えば、本校では今年度より、掃除を通して心を磨くため、1分間の黙想の後、無言で清掃に取り組む『自問清掃』を導入しています。清掃の時間を、生徒にとって『掃除をさせられる時間』から『自分を成長させる時間』へと転換していこうという清掃主任の教師の発案によるものです。この取り組みについても私は『共育を語ろう会』で取り上げましたが、この時の会には清掃主任も自主的に参加して、取り組みの意図などを自分の言葉で熱く語っていました」(星野校長)

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毎月1回、校長が主催する「共育を語ろう会」。テーマによっては、教師も任意で参加している

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