減少が目立つのは、法学系統と薬学系統だ。法学系統は、05年度入試で志願者数が大幅に減り、今回の模試でも志望者指数が89となった。ここから、一部が経済・経営・商学系統に流出したと推測される。不人気の要因の一つとして、法科大学院修了者の新司法試験合格率が、07年度以降は30％程度まで下がると予測されていることが挙げられる。
　「法科大学院に進学しない場合、どのような就職先があるのか、という不安を感じている受験生は多い。そのような不安を払拭する情報を伝えなければ、法学系統の人気復活は難しい」と、木野内氏は言う。
　薬学系統は、志望者指数が87と、最も落ち込んだ学部系統だ。06年度から薬剤師の養成課程が６年制に変わることが、要因の一つだ。修業年限が２年増えることによる経済的負担は、保護者にとっては大きな問題だ。社会人になるのが２年遅れることを躊躇する女子も多いという。
　「厚生労働省の薬剤師問題検討会の試算によると、薬剤師の需要は数年のうちに頭打ちになる。薬剤師が就職しにくくなりつつあることも、不人気につながっているのでは」（木野内氏）。薬学系統を敬遠した受験生の多くは、保健衛生学系統に流出したとみられる。とりわけ、理学療法、作業療法、放射線技術の分野の人気が高く、志望者指数はそれぞれ121、130、120となっている。