特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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OPINION 学生の育成という観点

Responsibility―
学生との応答を通して主体性を育成する

山形大学高等教育研究企画センター

杉原真晃

“Lend Me Your Ears!” 耳を貸してくれ

 教養教育は、私たちの歴史的・文化的・社会的な知的遺産を次世代に伝え、学生が夢と希望を持って人間的な成長を遂げる、そして、それにより社会がより良いものに発展することを願って行う行為である。しかし、成長する主体は学生である。私たちは往々にして、先人たちの叡智(えいち)を援用しながら次世代の若者に対して“Lend Me Your Ears!”(W. シェークスピア『ジュリアス・シーザー』より)と叫ぶ一方であったかもしれない。学生からの同様の叫び声に、果たして耳を貸していたであろうか。
 とはいえ、「学生を主体にした教養教育」を行うには、学生の声に耳を貸し、彼・彼女らの主体的な活動・思考・議論に「任せる」だけではいけない。それに加え、学生の主体性がより一層豊かなものに育つよう、私たちは意図的に「働き掛ける」ものでなければならない。


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