教養概念および教養教育に関する主要先行研究の多様な定義・分類をふまえ、その共通要素・目的を考えてみた。その結果、(1)「継続的自律的自己研鑽」、(2)自己および他者理解による「自己相対化・客観化」、の2要素こそ、教養の共通目的・本質として指摘できると思い至った。
(1)は、外から与えられるのではなく、「自分から進んで」、学び、考え、鍛錬し「続けられる」点が重要な要素である。(2)は、自分自身や自分の行っていること、属している場などを客観化し、自分を取り巻く社会・環境・状況・分野等の中に位置付けてとらえられる力である。
この2つの共通要素を持つ教養概念と教養教育を、先行研究から最大公約数的に分類すると、表のように7つに大別できた。この表は、別稿で産業界の意見を読み解くために分類したものである。 |