特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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OPINION 学生の育成という観点

現代に必要な教養と
教養教育を考える

大阪市立大学大学教育研究センター

飯吉弘子

教養および教養教育の共通要素と目的

 教養概念および教養教育に関する主要先行研究の多様な定義・分類をふまえ、その共通要素・目的を考えてみた。その結果、(1)「継続的自律的自己研鑽」、(2)自己および他者理解による「自己相対化・客観化」、の2要素こそ、教養の共通目的・本質として指摘できると思い至った。
 (1)は、外から与えられるのではなく、「自分から進んで」、学び、考え、鍛錬し「続けられる」点が重要な要素である。(2)は、自分自身や自分の行っていること、属している場などを客観化し、自分を取り巻く社会・環境・状況・分野等の中に位置付けてとらえられる力である。
 この2つの共通要素を持つ教養概念と教養教育を、先行研究から最大公約数的に分類すると、表のように7つに大別できた。この表は、別稿で産業界の意見を読み解くために分類したものである。

図
*1:英語・IT活用能力を含む。
*2:自発的課題発見・解決力、論理的・批判的思考力等の知的活動基本スキルや、自律的に学び探求し続ける力などを含む。

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