2008年に出された中央教育審議会の「学士課程教育の構築に向けて」の答申では、学士課程教育の改革の実行にあたって「『学位授与の方針』『教育課程編成・実施の方針』そして『入学者受入れの方針』の三つの方針を明確にして示すこと」の重要性が述べられている(それぞれDP、CP、APに対応)。また、(独)大学評価・学位授与機構の機関別認証評価において使用されている大学評価基準でも、同様の方針の策定と公表が求められている。
本連載では、この取り組みを政策や認証評価への対応としてだけではなく、教員がカリキュラム開発の手法を学ぶ能力開発の機会(FD)*として位置付け、それを効果的に展開する手法を説明していく。
第1回は、学士課程教育体系化のステップを概観し、取り組みの実施に必要な組織体制について触れ、最初のステップであるめざすべき人材像の策定手法を説明する。実施に役立つように、適宜、筆者の所属する愛媛大学での事例を挿入していく。
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