特集 つながる高大の「学び」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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2 国公立大が目指す方向性

旧帝大と地方国公立大で目指す方向性が二分

 次に、今後国公立大が目指す方向性について、「設置区分別」「学部系統別」「大学規模別」「入試難易度別」の4つの観点から分析する(図2)。
  まず、設置区分別におおまかな傾向を見てみると、国立大では研究教育拠点志向が、公立大では地域連携志向が強いことが読み取れる。更に、大学規模別、入試難易度別のデータを見てみると、大学の規模が大きいほど、そして、入試難易度が高いほど研究教育拠点志向が強いことが分かる。すなわち、旧帝大をはじめ大規模国公立大は研究教育拠点志向を強め、小規模地方国公立大は、地域連携と教育重点化を軸に大学経営の方針を立てていることが読み取れるのではないだろうか。
  前ページでは、地域に地盤を置く小規模大ほど「学びを伴う体験」を重視した高大連携を図っていることが示されていたが、このデータと合わせて考えると、こうした大学では、地域密着型の教育拠点として、生き残りを模索していると言えよう。

▼図2 クリックすると拡大します

図2

研究と教育志向の狭間で 選択を迫られるブロック大

 入試難易度別のグラフを更に詳しく見てみると、入試偏差値58〜62の前後が、研究教育拠点志向と教育重点化志向の「分水嶺」となっている状況がうかがわれる。いわゆる「ブロック大」クラスの大学がこの範疇に該当する。
  今後、これらの大学では、どちらの道に進むべきかが具体的に検討されていくと思われる。現在進められている高大連携事業の位置付けにも影響することだけに、今後、大学側の動きを注視していく必要があるだろう。


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