特集 「完全新課程生」をどう育てるか
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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必要な視点

導入期指導の強化と生徒の良さを生かした指導を

 以上、「完全新課程生」の特徴について、おおまかに見てきたが、03年度入学生と比べて、その気質は徐々に変化してきたと言えるのではないだろうか。とりわけ、非―主体的な学習姿勢が強まっている生徒をどう主体的な姿勢に変えていくのかは、新入生オリエンテーションや合宿のメニューと合わせて考えたいテーマである。
  だが、その一方で、「完全新課程生の強みを、どのように指導に生かしていくのか」というテーマについても、本格的に考えていく必要があるのではないだろうか。03年度以降、「表現活動への適性が高い」「ものおじせずに自分の意見が言える」「素直な生徒が多い」といった新課程生の強みが語られてはいるものの、それらを具体的な指導に落とし込むとなると、未だ手探り状態の学校が多い。
  「完全新課程生」の良さを生かしながら、どう課題を解決していけばよいのか。次ページ以降の事例・座談会からポイントを探っていこう。

現場の声

自己表現能力の高さ、ディベートやディスカッション能力の高さなど、新課程生も良い部分はたくさん持っている。しかし、指導をする中では、旧課程生との「違い」や、課題の部分に目が行きがちで、新課程生の良さや特性に応じた教育手法については、まともに研究さえされていないのが現状ではないか。現状を嘆くだけでは始まらないと思う。

気質的な側面に着目する一方で、パソコンやソフトウェアに対するメディアリテラシーの高さをうまく生かせないかと考えている。電子メールを使った長期休暇中の学習課題の指定や質問への対応なども、今後は研究していく必要があるのではないか。


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