特集 「完全新課程生」をどう育てるか
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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校内のノウハウの引き継ぎが今後の課題

 以上の他にも、成績上位層への早期の意識啓発を図る「難関大入試研究会」、模試の受験時期の見直しといった指導の精緻化が、多治見北高校ではここ2年の間に加えられている。こうした施策の結果、05年度入学生の成績は何とか例年並みを維持できているという。だが、後藤先生はその成果に必ずしも安心はしていない。むしろ「3年間の総括をいかに行うかが、今後の課題となる」と考えている。
  「『3年間で1クール』という考え方で行ってきた改革の成果をどのように検証し、引き継いでいくかが大きな課題になると思います。ここがクリアできないことには、03、04、05年度の経験をうまく生かすことはできないでしょう」
  そのための布石は既に打たれている。05年度の3月末には、03年度入学生を持った学年が「学年総括会」を実施し、反省点を洗い出すことになっている。更に06年度の4月には、その総括を踏まえて、06年度3学年と、05年度3学年が合同で『新旧3年担任連絡会』を開催。反省点を確実に引き継いでいく予定だ。
  「生徒の変化に場当たり的に対処するのではなく、教師の側が積極的に校内のノウハウを積み上げていく必要が益々高まっていくでしょう。学年間の壁をどう突破するのか、指導履歴をどのように残すのか。生徒の変化に合わせ、教師自身が積極的に自らを変えていかねばならないと思います」(後藤先生)

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