特集 「学校力」を考える(1) 学び高める「指導力」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
  PAGE 13/17 前ページ  次ページ
1 ミドルリーダーを軸とした組織運営を図る

組織のつながりを強め個々の「職能成長」を促す

 三原高校が活動の前提として重視するのは「教師一人ひとりのベクトルを合わせること」だ。すべての教師が学校の経営理念や経営計画に対する共通認識を持ち、各人がそれに応じた目標を掲げている。三原高校は、次の流れで目標を設定し、学校全体の意思の統一を図る。
  まず年度当初、校長・教頭が示した経営理念や中期経営目標・達成目標に応じて、各分掌や学年の主任がそれぞれの目標を設定。更に、その目標に応じて、各分掌・学年に所属する教師一人ひとりが、自らの目標を設定し「自己申告書」(図1)に記入する。自己申告書は、「学習指導の分野」「生徒指導・学級経営・その他」「研究・研修」の3項目からなり、それぞれの目標や達成状況を記入する。この申告書を基に、教師は個別に校長・教頭と年2回(4月、11月)の面談を行い、目標が妥当か、実際に目標を達成できているかをチェックする。早川政之教頭は、その意義を次のように述べる。
  「さまざまな活動を進めるにあたり、本校が最も重視するのは、組織で仕事をするということです。言い換えれば『ライン』で仕事をするということ。校長、教頭、事務長、主任・部長、部員がつながりを持って仕事を進める中で、一人ひとりの『職能成長』を図ることが、本校の人材育成の軸なのです」

▼図1 自己申告書 図1
「自己申告書」により、個々の教師の目標が明確になると共に、主任、管理職からの適切な指導及び評価が行われる。

  個々の教師は、校長・教頭との面談の前に、必ず主任・部長との面談を行い、指導や助言を受けている。
  「現場をよく知る主任・部長を軸とした組織運営を図ることで、チームとしての協働力が高まり、個々の教師の指導力の向上にもつながります。管理職と各チームとの意思疎通や共通理解も図りやすくなっています」(早川教頭)
  主任クラスの教師が力を発揮できる環境を整え、組織のつながりをより強固なものにしているのである。
  こうした体制の下、三原高校は指導力向上の活動をどう展開しているのか。


  PAGE 13/17 前ページ 次ページ
目次へもどる
高等学校向けトップへ