中学校の現場から 学力調査
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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課題の発見、取り組みの検証に欠かせない

 一方、全国学力調査が導入される前から、自治体や学校独自の学力調査は行われている。
 05年度には、38都道府県・12政令指定都市が独自の学力調査を実施した(調査対象の82%、図1)。市区では39・1%、町村では25・2%で実施されており、何らかの形で既に学力調査を行っている小・中学校が少なくないことがわかる。地域ごと、学校ごとに、生徒の学力層や家庭環境、そして地域環境は大きく異なり、それぞれ抱える課題も異なる。そうした独自の課題を明らかにして効果的な取り組みに結び付けるために、学力調査や意識調査は行われている。
 「VIEW21中学版」の学力調査に関するアンケート集計結果(図2)を見ると、「子ども一人ひとりの学力を把握する」「全校の学力レベルを把握する」といった現状把握の観点での活用や、「教科指導の改善を考えるときの資料にする」といった取り組みの効果検証として活用している中学校が多いようだ。

図1,2

 具体的な活用法としては、指導改善の際によく使われるPDCAサイクルの一環として取り込まれている。「P=プラン」を立てる際の課題発見、そして、実践を検証し、次の取り組みにフィードバックするための「C=チェック」としての機能だ。客観的な調査結果データを用いることで、結果が数値として明らかになるため、教師全員で課題を共有でき、取り組みがスムーズに進むようだ。
 また、県、市、民間など、複数の学力調査を行っている学校では、調査ごとに対象学年を変える、実施時期によって役割を明確にするなどして、効率よく活用している例もある。
 では、中学校現場では、実際にどのように学力調査を活用しているのだろうか。次ページでは、学力調査を基に学校の課題改善のためのアクションプランを毎年作成している、新潟県長岡市立青葉台中学校の実践を紹介する。 

学力調査の実施の状況

07年度より全国規模の学力調査が実施される
小学6年生、中学3年生全員を対象に実施し、学力向上に効果的に結び付けることを狙う
PDCAサイクルに取り込み指導改善に生かす
生徒の学力向上へ向けて課題を明らかにし、取り組みを検証する手法として、学力調査を活用する中学校が多い

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