ベネッセ独自の調査・研究に基づく教育情報を発信。学校向け情報誌に掲載している教育動向や学校の実践事例、子どもや教育に関連したさまざまな調査の報告書、調査データなどを公開しています。
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2009年4月号
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生きたデータの徹底活用
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プラス
α
の指導
「できる自分」を 体感させる
学習時間調査は生徒の実態把握の機会ではあるが、1年生の生徒にとっては「1日○時間の勉強もやってみれば意外とできる」ことを体感するチャンスである。クラス別の学習時間調査に向けて「ほかのクラスに負けないよう、必ず○時間は勉強しよう」など半ば強制的にでも経験させることも「できる自分」を実感させるためには必要だ。「やろうとしない限りはできないこと」をやり遂げたとき、担任からかけられた一言が生徒に自信を与えることもある。
生徒同士の気づきを 引き出す
図3
の記録内容をSHR時に生徒同士でチェックさせ、仲間がどんなふうに学習時間を確保しているか、自分が真似するならどんなところかなどを考えさせる。すぐ横にいる仲間の生き方に刺激を受ける場を提供して、クラスを生徒の内面から活性化させたい。なお、学習記録表の記入の仕方そのものに、生活習慣に対する生徒の意識が透けて見えることがある。勉強できていない自分に焦りや不安を感じている生徒を学習記録表から見つけ、面談などで学習時間確保のアドバイスを与えたい。
不安や悩みの共有・解消で クラスをまとめる
高1の1学期は学習や生活、部活動などに対して、何らかの不安や悩みを抱えながら過ごしているものだ。しかし、何かを求めようとするからこそ、悩んだりつまずいたりするのだから、やろうとしている自分がいることをしっかり認識させ、仲間と共に歩く姿勢をクラスに醸成したい。「こうあるべき」というスタンスの発信ではなく、「現状を認めつつ、できることをやっていこう」という雰囲気をクラスにつくっていきたい。
活用後のフォロー
◎入学時は同じように見えたクラスも、1か月もすればそれぞれの雰囲気が生まれてくる。各担任は、クラスの現状は、自分のねらい通りになっているのか、生徒の気づきなど予想外のことがあったのかなどを最初の定期テストを契機に振り返ることが重要だ。そして学年会議などで、好調なクラスはどんなことに取り組むことで雰囲気づくりをしているかを共有したい。クラスの雰囲気は1学期には固まってしまい、それ以降に改善するのは容易ではない。各クラスごとの個性は存在しても、最後は「学年として目指すべきもの」を一人ひとりの教師が忘れないようにしたい。
今回のテーマと関連する過去のバックナンバーも併せてご活用ください!
●2006年4月号 「
入試結果データの見せ方
」
●2007年2月号 「
新入生への意識付け
」
●2008年4月号 「
1年生を高校生にする意識付け
」
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