30代教師の情熱
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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夢の実現に挑戦する力をつけさせる指導が目標

 教師は生徒の夢の実現を助ける職業です。私はそのあと押しができているのかなと自問しています。以前は、合格判定でC・D判定が出たときに、遠回しに生徒に諦めさせていたこともありました。生徒の失敗を恐れ、教師の私が安全な道を選んでいたのです。
 大学進学は人生においてかなり重要な選択です。夢をあと押しする教師が、諦めさせてよいはずがありません。リスクは伝えながらも、生徒の気持ちを大切にし、人生から逃げずに自分で考え、選ばせるようにしています。たとえ不合格でも、挑戦した生徒は強くなり、甘えがなくなって、その経験を人生の力にできるのではないかと思うようになりました。
 教科指導においても進路指導においても、生徒の「本当の力」になる指導ができるようになること。これが今の私の課題です。そして、組織的にも生徒の抱える課題にどう挑んでいくのかを思案し、行動していく立場になってきていると感じています。
このひと言から学んだ ― 『VIEW21』を読んで ―
Q:2008年度の『VIEW21』が取り上げた学校事例で印象に残った記事と先生の言葉を教えてください。
A:2008年9月号の特集「『自立する高校生』をどう育てるのか」が最も印象に残っています。群馬県立前橋高校・丸山先生の「生徒が自分自身の生活を振り返り、生活スタイルを変えようと意識し始めたとき、自立に向けて一歩を踏み出していると思います」という言葉。これは生徒の自立を実感できる具体的な場面として、印象に残りました。生徒の変化に気づく視点を教えていただきました。また、鳥取県立倉吉東高校の先生方の「手を離すタイミングは難しい」「生徒への指導は(中略)徐々に緩めますが、それでも完全に手を離すことはありません」も共感した言葉です。本校での取り組みを「生徒から手を離していく」という観点から、もう一度考えるきっかけになりました。

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